桃田賢斗が手術…右眼窩底骨折　全治３カ月、復帰プラン白紙に

　１月に遠征先のマレーシアで交通事故に巻き込まれ負傷したバドミントン男子世界王者の桃田賢斗（２５）が、右眼窩底（がんかてい）を骨折していたことが判明し、８日に手術を受けたことが同日、明らかになった。所属のＮＴＴ東日本が発表した。診断によると全治３カ月程度で、復帰戦を予定していた３月の全英オープンはキャンセル。７月２５日から試合が始まる東京五輪の出場権獲得は確実となっているものの、実戦感覚を取り戻すための復帰プランは白紙となった。

【写真】ベッドに横たわる桃田　痛々しい姿

　復帰に向けてようやく一歩を踏み出したさなか、桃田の復活ロードはまたも振り出しに戻った。４日に練習を再開したものの「シャトルが二重に見える」などと不調を訴え、５日に代表合宿を離脱。７日に精密検査を受けたところ「右眼窩底骨折」が判明し、８日に手術を受けた。

　１週間ほど入院した後、ジョギングなど軽い運動はできる見込みだが、本格的な練習再開のめどは立っていない。全治３カ月程度かかる見通しで、当初は３月を予定していた実戦復帰も大幅に遅れそうだ。

　桃田は１月の事故で顔面３カ所の裂傷や全身打撲などを負った。当初は鼻骨骨折などが疑われ、帰国後も全身の精密検査を受けたが、異常なし。時折右目に違和感を覚えていたというものの、視力の低下などは見られなかったため経過観察としていた。今回は事故後初めてラケットを握って動いたことで、自身の微細な身体の異常に気づいたとみられる。

　金メダル候補と目される東京五輪は出場権を確実にしているものの、けがの影響で可否は不透明。また、実戦感覚のブランクも心配される。日本代表の朴柱奉ヘッドコーチは「手術後の経過を見て決めるが、焦らず回復に専念してほしい」とコメント。本人は長い競技生活を考えて治療に踏み切ったといい「しっかり治し、一日も早くコートに戻りたい。その先に五輪があればいい」などと意欲を示しているという。

　有力選手が出場する「スーパー５００」以上の大会は６月のタイＯＰ、インドネシアＯＰが五輪前最後となる。それまでに復帰できない場合、ほぼぶっつけ本番で五輪に臨む可能性も出てきた。