新型コロナ感染拡大で…国内スポーツ大会が続々中止の危機

新型コロナ感染拡大で…国内スポーツ大会が続々中止の危機

 誰も来ないし、受け入れてくれる国もなくなるかもしれない。

 新型コロナウイルスに対する政府対応はずさんで、感染者増加は止まらない。5カ月後に迫った東京五輪の開催を危ぶむ声が日に日に大きくなっているが、スポーツ界ではすでに日本での試合を回避する動きが出始めた。

■南アフリカが来日中止

 3月27日に京都で行われる予定だったサッカーU23日本代表の親善試合は中止になった。対戦国の南アフリカが、新型ウイルスの感染拡大を懸念し、来日を取りやめたからだ。これにより、同30日のコートジボワール戦も中止になるとみられている。「代わりに試合相手になってください」と他国に声をかけたところで、今の日本に不安を持っているのはどこの国も同じだろう。

 国内では今後、大きな国際大会がいくつか予定されている。体操は五輪のテストマッチとして位置づけられているW杯(有明)が4月4日に開幕。同月30日からはアーティスティックスイミングの五輪予選会もある(日本代表は出場しない)。5月10日には陸上のゴールデングランプリが新国立競技場で開催される。公式試合ではないが、ソフトボール日本代表は5月10、12日にカナダとの強化試合が予定されている。日本行きをちゅうちょしている外国の指導者や選手は少なくないはずだ。

 東京五輪関係者が言う。

「クルーズ船やチャーター機で帰国した人以外の国内感染者も130人を超えた。検査が陰性でクルーズ船から下船した人からも感染者が出た。来日をやめる国や選手が出てくることは、ある程度予想していた。5月が感染のピークともいわれているだけに、これからも中止になる試合は出てくるかもしれません」

■増える入国制限

 関係者は続ける。

「次に心配なのは、海外に出ていく選手です。男子マラソン五輪代表の中村匠吾選手は3月29日にポーランドで開催される世界ハーフマラソンに出場する。バドミントンの五輪選考レースも4月末のアジア選手権(開催地は武漢から変更)まで続くし、サッカーU23日本代表は6月にフランス遠征を控えている。すでに中国人は130カ国以上から入国禁止や入国制限を受けている。イスラエルは過去14日間に日本と韓国に滞在した人は自国民を除き、入国を禁止した。日本国内で新型ウイルスの感染者が増え続ければ、過剰な恐怖心から日本人お断りの国が増えることが心配です」

 先週メルボルンで行われた体操の種目別W杯(東京五輪予選)は、入国制限のため中国選手は欠場した。日本選手も他人事ではない。