タカマツ、世界1位撃破で逆転五輪残った 松友「久しぶりにいい試合ができた」

引用元:スポーツ報知
タカマツ、世界1位撃破で逆転五輪残った 松友「久しぶりにいい試合ができた」

◆バドミントン 全英オープン第3日(13日、英国・バーミンガム)

 女子ダブルス準々決勝で、16年リオ五輪金メダルの高橋礼華(29)、松友美佐紀(28)組=日本ユニシス=が、世界1位の中国ペアを下して4強入り。逆転での20年東京五輪切符へ、望みをつないだ。一方、世界連盟(BWF)は13日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今大会後から4月12日までの期間でワールドツアーを中断すると発表。マレーシアOPなど、4月26日までの五輪レースで重要な試合も含まれ、先行きは不透明感を増してきた。日本チームは海外遠征を打ち切り、早ければ16日にも帰国の途に就く。

 リオ五輪女王が、輝きを取り戻しつつある。タカマツペアは、世界ランク1位の陳清晨、賈一凡組(中国)に真っ向からぶつかった。第2ゲームは20―19とマッチポイントを握ったところから3連続失点で失ったが、すぐに気持ちを切り替えた。最終ゲームは、13―12から8連続得点で一気に終止符を打った。松友は「久しぶりにいい試合ができた」と晴れやかな表情を浮かべた。

 最大2枠を争う五輪レースでは、日本勢3番手で圏外。格付けの高い全英で4強入りし、今大会での五輪消滅は自力で回避した。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、先行きは不透明だ。2人はこの日、試合会場到着後にワールドツアー中断の一報を知った。高橋礼は「熱くなった。この試合がレースの最後になるかもしれないから、優勝して終わりたいなと本当に強く思うことができた。いろんな競技の大会が中止されている中で試合をしてもらえることはありがたいこと」。動じず、目前の一戦に集中して力を出し切った。

 レース対象期間は、4月末のアジア選手権(マニラ)まで。今大会で優勝しても日本勢2番手のナガマツペアを上回るのは不可能で、逆転切符には、中断期間中に予定されていたマレーシアOPなどで好成績を残すことが不可欠だった。BWFは後日、五輪出場争いについて追加の発表を行うとしているが、試合数が減るほど、タカマツペアの五輪切符は遠ざかる。

 日本チームも、予定変更への対応に追われている。当初は日本からの入国が禁止される可能性も見越して、英国やマレーシアで合宿を行いながら、4月末まで帰国せずに海外転戦を続ける予定だった。日本協会によれば、ツアー自体が中断となったことで遠征も打ち切りが決定。早ければ全英終了後の16日にも帰国の途に就く。新型コロナ禍で五輪レースの先行きが見通せない中、コンディションを保つ難しい調整を迫られる。

 ◆女子ダブルスの東京五輪代表選考 19年4月29日~20年4月26日に出場した国際大会のうち、上位10大会の成績で獲得するポイントによって算出したランキングで決まる。国・地域別の最大枠は2。最大枠をつかむには、2組ともに上位8位以内に入っていることが条件となる。タカマツは今大会で優勝すれば、6960点を加算。8強で敗退し、1560点の加点にとどまったナガマツとの得点差は、5541点に縮まる。 報知新聞社