リーグ戦開幕延期。大学野球部員は現在どんな日々を過ごしているのか

リーグ戦開幕延期。大学野球部員は現在どんな日々を過ごしているのか

 4月上旬。例年ならば、3月下旬に開幕したセンバツ高校野球が終わり、大学野球シーズン到来の季節だ。4月6日には東都大学、同11日には東京六大学リーグ戦が開幕する予定だったが、開幕延期。大学野球の聖地・神宮はひっそりと静まり返っている。

 東京六大学は5月下旬の開幕へ向けた準備を進めているが、新型コロナウイルスの感染拡大次第では、最悪の場合、中止の可能性もある。日々、状況が変わり、今後も予断を許さない。全国26大学連盟のほとんどが開幕延期(一部で開幕したが、その後に延期)となっており、活動を休止している大学も多い。

 7都府県に緊急事態宣言が発令されたのは4月7日。宣言後、初めての週末となった11日、各自治体は不要不急の外出自粛を呼びかけた。

 大学の野球部は、どんな日々を過ごしているのか。その一部を紹介したい。

 ある大学は、学校当局からの指示を受けて活動自粛中だ。個人で時間を見つけて体を動かしているが、ユニフォームだと「全体練習」と受け取られる可能性があるため、ジャージーに統一しているという。合宿所内においては感染防止対策をより、徹底している。

 また、ある大学は5月6日までキャンパス内の立ち入り禁止。活動自粛で、なおかつ、キャンパス内にあるグラウンドも使えない。合宿所近くの公園で、可能範囲で体を動かしている。公共施設で打撃練習はできないため、合宿所内でバドミントンのシャトルや新聞を丸めたボールで代用して、打ち込みに励む。もちろん、短時間で効率良く、消化する。

 帰省した部員もいるが、出身高校などでの練習は禁止。万が一、高校球児に影響が出てはいけないと、感染防止に配慮しているという。

 新学年のスタート。1年生にとっては、新たな生活の始まりだが、授業開始のメドが立たない。4年生は就職活動にも影響が出ている。卒業後、野球継続を希望する部員としては今後の経過次第で、NPBスカウトや社会人野球関係者へ、アピールする場が限られてくる。

 会宿所からは当然、不要不急の外出を控えなければいけない。ある大学では、監督からの指示により、この活動自粛期間を活用して、社会情勢を知ることや、本を読み、自らと向き合う時間に使うようにと指示を出している。野球部ホームページの予定欄を見ても、4月以降のスケジュール白紙のままの大学も見られる。かつてない試練だが、事態の早期収束に向け、最大限の努力を続けていくしかない。

文=岡本朋祐 写真=BBM 週刊ベースボール