バド渡辺勇大、全英男子複Vから学んだピーク制御術

引用元:日刊スポーツ
バド渡辺勇大、全英男子複Vから学んだピーク制御術

東京オリンピック(五輪)を目指すバドミントン男子の渡辺勇大(22=日本ユニシス)が日刊スポーツの電話取材に応じた。新型コロナウイルス感染拡大もあり、3月の全英オープン(OP)から帰国後、練習がほとんどできず、自宅などでトレーニングを続けている。全英OP優勝の「過去」を振り返った。【取材・構成=松熊洋介】

今回で110回目を誇り、ワールドツアーの中で最も格付けが高い大会、全英OP男子ダブルスを日本勢で初めて制した渡辺も、1カ月近く体育館での練習ができていない。ただ「命が一番大事」と現状を受け入れる。全英決勝では激戦を制し、五輪選考レースでは園田、嘉村組を抜き日本勢トップに立ったが、その後、五輪は1年延期に。たった1カ月前の歴史的勝利は、激動の世の中で「過去」のことになりつつある。それでも、確かな手ごたえをつかんだ。

「運もあったし、最後はきつかった。でも方向性は間違ってなかった。やるべきことを貫き続けたので、結果は出ると思っていた」。試合に集中するため、専属トレーナーを英国まで帯同し「ケアする時間が増えた。試合にピークを持っていけたので、重要なことが分かった」と大きなアドバンテージを手にした。

その全英は18年にも東野と混合ダブルスで優勝。相性のいい大会で結果を残し、五輪2種目で金メダルという偉業も見えてきた。「大会が分岐点となっている。自分にとってはプラスでしかない。うれしいし、五輪へ近づいたことは間違いないが、まだ決まってない」。耐える時期が続く中、コートのわずかな隙間にシャトルを落とすバドミントンにも通じるのか、現在はジグソーパズルに没頭する。アスリートならではの集中力を維持しながら、1年後の本番に向かう。

◆渡辺勇大(わたなべ・ゆうた)1997年(平9)6月13日、東京都生まれ。福島・富岡第一中から11年東日本大震災後、猪苗代中へ。富岡高卒業後、16年に日本ユニシス入社。16年から遠藤と男子ダブルスのペア結成。167センチ、56キロ。

◆ファンと触れ合うSNSの新アカウント 「Badminton_PlayersRoom」と命名し、渡辺、女子シングルス奥原、男子ダブルス嘉村が3月22日に開設。その後、東野と、女子ダブルス永原も加わる。現在はインスタライブや、ファンからの質問に答える活動などを行っている。