工夫を凝らし自主練習に励む西武ナイン、山川「発想次第で何でもできる」

工夫を凝らし自主練習に励む西武ナイン、山川「発想次第で何でもできる」

 【球界ここだけの話】

 世界的にパンデミックとなっている新型コロナウイルス。日本でも政府が4月7日に緊急事態宣言を発令するなど、感染拡大の影響は悪化の一途をたどっている。プロ野球界もその影響を受け、開幕再延期に。ほとんどの球団が全体練習を取りやめている。西武も自主練習や自宅待機の日々が続く。

 新型コロナウイルスに感染しないように努めながら、未定の開幕にベストの状態で臨めるように、練習環境も限られる状況も工夫しながら調整を行っている。

 西武の自主練習では、打撃投手、ブルペン捕手などのスタッフ陣も自宅待機のため不在。そのため、通算415本塁打の中村剛也内野手(36)打撃投手を務めるなど、シーズン中ではない練習方法で調整を行っている。

 一日でも早いシーズン開幕のために自宅待機期間でもプロとして意識の高さを忘れない。プロ4年目の田村伊知郎投手(25)は自宅では手洗い、うがいを徹底し、アルコール消毒液も常備。食事面では「以前から飲んでいましたが、マヌカハニーを取る量は増やしました。外出はできないので家の階段を上り降りするなどしてトレーニングしています」と自宅で工夫してトレーニングを継続している。マヌカハニーとは、ニュージーランド原産のはちみつで、ピロリ菌、大腸菌、サルモネラ菌などの体内で悪さをする菌に対する殺菌、抗菌作用が高く、消化器官の諸症状の緩和に効果があるといわれ、免疫力の向上につながるとされる。

 自宅で過ごす時間が増える中、2年連続本塁打王に輝いた山川も有り余る時間を有意義に過ごしている。「発想次第で何でもできると思う。コロナだから何もできないではなく、『何かできるんじゃないか』と思うことが大事」。主砲は、自宅マンションのバルコニーで野球用に開発されたバドミントンのシャトルを打ち込むなどできる範囲で創意工夫を凝らしている。また、普段ではなかなかできない特技のピアノや書道を行うなど、普段できない時間で心を整え、リラックスと練習の両方をうまく行っている。

 選手たちは開幕の見通しが立たない状況にも、工夫しながらベストのパフォーマンスを発揮できるように調整している。(樋口航)