山口、山口2世に勝った!3連覇を狙う“本家”が8強入り/バドミントン

 バドミントン・全日本総合選手権第3日(28日、駒沢体育館)各種目の2回戦が行われ、女子シングルスは3連覇が懸かる山口茜(22)=再春館製薬所=が、今年10月の世界ジュニア選手権(ロシア)女王の郡司莉子(17)=熊本・八代白百合学園高2年=を2-1で下し、8強入りを決めた。男子シングルスは、世界ランキング1位で昨年覇者の桃田賢斗(25)=NTT東日本=が順当に勝ち上がった。

 “山口2世”の挑戦をはね返した。3連覇を狙う“本家”の山口が、第1ゲームを落としながらも、5歳年下の郡司に逆転勝ち。成長著しい17歳の壁になった。

 「勝ってよかった。相手のスピード感に付き合ってしまって(第1ゲームを)取られたけど、焦りは特になかった」

 若手有望株との対決に注目が集まった。第1ゲームは郡司のスローペースを崩せず、20-22で落とした。会場に番狂わせの予感が漂ったが、第2ゲームからは短いサーブを多用。多彩な配球で17歳を翻弄し、流れを変えた。

 郡司は世界で活躍する山口に憧れ、故郷の神奈川・海老名市を離れ、再春館製薬所のある熊本の八代白百合学園高に進学。今年10月、山口が2013年、14年に連覇した世界ジュニア選手権(ロシア)を制し“山口2世”と呼ばれるようになった。

 熊本に拠点を置く山口は、郡司と合同練習を行ったことがある。自身以来となる世界ジュニア女王に輝いた郡司との初対戦を制し、「お手本であり続けられるようなプレーはしていかないといけない」。ほっとした表情を浮かべた。

 五輪レースが佳境を迎える。山口は7月のインドネシアOP、ジャパンOPで連勝。世界ランキング1位に返り咲いたが、腰や足に故障を抱え8月の世界選手権で初戦敗退(現在は世界4位)。状態は上向いているが本調子ではなく、この日も郡司の勢いに押される場面があった。

 「第2ゲームから少しスピードを上げて、ファイナル(第3)ゲームは出だしで積極的にいけた」

 今大会は五輪レースのポイントに加算されないが、17歳だった福井・勝山高2年時に初優勝した思い出の大会。来夏の東京五輪に弾みをつけるため、全日本3連覇へ邁進(まいしん)する。