奥原希望、決意の4強 大先輩・三谷の引退に涙「思いを背負っていきたい」

奥原希望、決意の4強 大先輩・三谷の引退に涙「思いを背負っていきたい」

 ◇バドミントン 全日本総合第4日(2019年11月29日 東京・駒沢体育館)

 女子シングルス準々決勝では、世界ランキング3位の奥原希望(24=太陽ホールディングス)が大家夏稀(21=NTT東日本)を2―0(21―11、21―13)で退け、準決勝に進出した。縦横無尽にシャトルを拾った奥原は「相手の方がプレッシャーを感じていた。終始、伸び伸びプレーできた」と振り返った。

 発奮材料があった。対戦相手である大家に敗れたのは、今大会で現役引退する14年世界選手権銅メダリストの三谷美菜津(28=NTT東日本)だった。女子シングルスのパイオニアとして憧れ続けた大先輩と成長を示すラリーをしたかったが、この日の対戦はかなわなかった。前日が引退試合となった三谷への敬意も込め、相手を倒しにいった。

 かつてNTT東日本に出稽古した際には、「こんなに強い選手がいるんだ」と教えられた。奥原は三谷を「女子シングルスを切り開いてきた選手」と形容し、リオ五輪銅メダルを獲得した今でも尊敬の思いが消えることはない。今大会中には会話も交わし、三谷から「悔いはない」と告げられたという。

 4年ぶりの頂点を目指す奥原は言う。「お疲れさまでした、と心から伝えたい。先輩の強い思いを引き継いで、背負っていきたい」。決意をあらたにした奥原のほおを涙がつたった。