卓球1100万円でバド1320万円…ファイナルV賞金はなぜこれほど安い?

卓球1100万円でバド1320万円…ファイナルV賞金はなぜこれほど安い?

 あまりに大きな格差だ。

 石川佳純(26=世界ランク10位)と平野美宇(19=同11位)の東京五輪代表争いが注目された卓球のグランドファイナル(中国・鄭州)。2日目は女子ダブルス準決勝で世界ジュニアチャンピオンでダブルス世界ランク1位の長崎美柚・木原美悠ペアが同2位で今年の世界選手権金メダルペアの孫穎莎・王曼昱(中国)に3―2で勝利。決勝進出を決めた。15日が最終日の今大会、シングルスは男女とも中国選手の優勝で間違いない。その賞金は10万ドル(約1100万円)。初戦で敗退した石川と平野の2人も1万5000ドル(約165万円)の賞金が出る。ちなみにダブルスの優勝賞金は約154万円だ。

 同日最終日のバドミントンのツアーファイナル(中国・広州)のシングルスも優勝賞金は12万ドル(約1320万円)。「けっこうな金額じゃないか」という声もあるが、テニスはケタが違う。

 先月終了した男子のATPワールドツアー・ファイナルズは、年間レースランキングの上位8人(例外あり)を選出。出場するだけで21万5000ドル(約2365万円)だ。補欠でも約1276万円がもらえる。予選ラウンドで1勝すれば21万5000ドルが加算。今年の大会を制したS・チチパス(21)は予選ラウンドでナダルに1敗を喫したため、獲得賞金は265万6000ドル(約2億9216万円)だったが、5戦全勝優勝なら約3億1581万円になっていた。

 驚くのは女子テニスのWTAファイナルズだ。今年の優勝は豪州のアシュリー・バーティ(23)。男女通じてテニス史上最高額の優勝賞金442万ドル(約4億8620万円)を獲得した。予選ラウンドの1敗がなければ1大会だけで約5億1975万円を手にしたことになる。男子の全勝Vより約2億円も高い。

 よく言われることだが、テニスファンは高収入者が多い。高額のチケットやグッズがよく売れる。スポンサー料も増額の一途だし、ESPNは2015年から11年間の全米オープンの独占放映権料を8億2500万ドル(当時のレートで約990億円)で獲得したことが話題になった。それだけの投資をしても儲かるだけの人気競技ということだ。

 4大タイトルの賞金も毎年のように増額されている男女のプロテニス。卓球やバドミントンとは人気も市場規模もまるで違うのだ。