桃田2度目V「サポートしてくれる人を思い出した」

引用元:日刊スポーツ
桃田2度目V「サポートしてくれる人を思い出した」

<バドミントン:ワールドツアーファイナル>◇最終日◇15日◇中国・広州◇男子シングルス決勝

男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗(25=NTT東日本)が、同8位のギンティン(インドネシア)に2-1で勝ち、4年ぶりの2度目の優勝を果たした。1時間半の熱戦を制し、今季11度目の国際大会制覇となった。

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1-1に追い付いた勝負の第3ゲーム。桃田は序盤、主導権を握られた。5-4から8連続失点。ショットや強打のレシーブがネットにかかるなど5-12と窮地に立たせられた。だが世界1位の強さはここからだった。相手の姿勢が消極的に映り「変化が見えたので冷静になれた」。相手のミスにつけこんで畳み掛け、7連続得点で追い付き、勝利につなげた。

第1ゲームを奪われ、第2ゲームも中盤までリードを許す展開。「心が折れそうになったが、サポートしてくれる人たちを思い出した」。ライバルであるギンティンとの1時間半近い熱戦を逆転で制した。

今季国際大会で11勝目。東京五輪選考レースが始まった4月末以降に7勝し、五輪出場を確実にした。獲得ポイントは10万点超え。今後欠場しても誰も届かないような数字に「きつかったけど、よくやったと自分を褒めたい」と語った。

大きなケガもなく1年を戦い続けたことも好調を維持できた要因だ。6月から専属のトレーナーに同行してもらい、体調面をチェック。連戦で疲れが見えた7月のタイOPや11月の香港OPを欠場し、体力回復に努めた。遠征中にできない基礎練習で体を作り、万全の状態で試合に臨んだ。

今年はスピードを課題に挙げ、早い攻撃を仕掛けることを意識しながらプレーしてきた。それでも「このままだといずれ抜かれる。来年もスピードを上げてもっと上を目指す」と気持ちを新たにした。独走状態になっても満足せず、来年もさらなる進化を求めて突き進む。

◆BWFワールドツアー・ファイナル 今季の世界選手権覇者とツアー成績上位者上位8人(組)で争われる。4人(組)ずつ2組に分かれて1次リーグの総当たり戦を行い、上位2人が決勝トーナメントに進む。1カ国につき最大2名(組)までしか出場できず、女子ダブルスの高橋、松友組は世界ランキング4位ながら、同2位の福島、広田組と世界選手権を制した永原、松本組がいるため、出場できなかった。