過去16年でラグビー部員は3割減。W杯フィーバーはどこまで効くか。

引用元:Number Web
過去16年でラグビー部員は3割減。W杯フィーバーはどこまで効くか。

 ラグビーが危機である。

 そう聞くと、怪訝な顔をする人も多いだろうか。

 史上初の日本開催だったラグビーW杯は大成功したし、ジャパンの快進撃は国中をテレビに釘付けにした。

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 南アフリカ戦の視聴率41.6%を抜くとしたら紅白歌合戦くらいのもので、年間での上位入りは確実だ。

 大会閉幕から1カ月以上がたっても、その勢いは一見衰えていない。丸の内での凱旋パレードには5万人が集まった。選手たちは年末年始もテレビに引っ張りだこで、リーチマイケルらジャパンの選手たちは、大谷翔平や羽生結弦と遜色ない知名度を得たと言える。

少子化の倍のペースで部員が減少中。
 それでも、ラグビーが危機であることは変わらない。ここに高体連が発表しているラグビー部員数の推移を示す表がある。

 2003年以降のデータしか公表されていないが、十分に衝撃的なので紹介しよう。

 2003年にラグビー部員は全国で3万419人いたが、2019年には2万11人になっている。30%以上が消滅した計算になる。

 ラグビー部がある学校も1252校から969校になり、こちらも20%の減少。

 この期間に少子化で子供の数が約15%減っているが、それと比べてもラグビー部員は倍のペースで減っていることになる。平たくいえば、子供たちに人気がないのだ。

 実は過去16年間でラグビー部員が増えた年は3度あり、どれもW杯の翌年だった。中でも最大の増え幅を記録したのはやはり南アフリカに勝利した2015年大会の翌2016年で、456人が増加している。

 しかし2017年を見ると、マイナス1168人。2018年はマイナス732人。

 そして2019年は、過去16年で最悪となるマイナス1691人を記録した。合計すると、南アフリカW杯後の4年間で3000人以上のラグビー部員が消えたことになる。

 2020年の数字をかなりポジティブに見積もって仮に前回大会の5倍、2000人が増えたとしても、たった2年分のマイナスすら取り戻せない計算である。