バドミントン桃田、盤石 中西コーチ「地元開催プラスに」―強化担当に聞く2020

引用元:時事通信
バドミントン桃田、盤石 中西コーチ「地元開催プラスに」―強化担当に聞く2020

 東京五輪で活躍が期待されるバドミントンの日本勢の中で、金メダルに最も近い位置にいるのが男子シングルスの桃田賢斗(NTT東日本)だ。2019年はワールドツアー新記録の11勝を挙げ、世界ランキング1位の座も不動だった。日本代表で同種目を担当する中西洋介コーチは「世界選手権で連覇を果たすことができ、良い一年だった」と振り返る。

 世界選手権を初制覇した18年は堅守に注目されることが多かったが、今は攻撃への意識が強いと中西氏は指摘する。「攻撃は最大の防御と言う。守りから入らないので、試合時間が短くなっている。特に(19年の)世界選手権ではクロススマッシュの精度が高かった」。トーナメント前半を「省エネ」で勝ち上がることで、強豪と当たる終盤でラリー戦にも耐えられる。余力を残して臨めた今年の決勝は、11勝1敗と高い勝率を誇った。

 19年前半は配球を相手に読まれる場面が目立ったというが、自身の傾向を見直して修正した。中西氏は「桃田君のロビングに対してスマッシュを狙うケースが結構あったので、違うコースに打ったりヘアピンを打ったり。(今は)どこを待ったらいいか分からないと思う」と進化を認める。

 桃田の最大のライバルに石宇奇(中国)を挙げ、最近は故障明けで本調子ではなかったが「実力的に大きな差はない」と警戒する。さらに気に掛けているのは、母国での五輪の雰囲気。「地元開催が彼のプラスになるのか、そうでないのか。そこのアプローチを考えたい」。桃田に過度な重圧がかからないようにすることも重要なポイントに挙げる。

 ◇中西洋介氏の略歴
 中西 洋介(なかにし・ようすけ)埼玉・上尾高、日大を経て日本ユニシスに進み、男子シングルスのトップ選手に。高校総体や全日本学生選手権などで優勝。全日本総合選手権は3度の準優勝が最高成績。日本代表としても活躍した。引退後は指導者となり、17年から日本A代表の男子シングルス担当コーチを務める。香川県出身。40歳。