バド桃田賢斗の五輪金メダルに“黄信号”…交通事故で左手無事も懸念は精神面

バド桃田賢斗の五輪金メダルに“黄信号”…交通事故で左手無事も懸念は精神面

 東京五輪の金メダル候補がアクシデントに見舞われた。

 バドミントン男子シングルスの桃田賢斗(25)が遠征先のマレーシア・クアラルンプール近郊の高速道路で交通事故に巻き込まれて負傷。全身打撲、鼻骨骨折、唇付近などを縫うケガを負った。地元警察によれば、桃田らを乗せたワゴン車が大型トラックの後部に衝突、運転手が死亡する大事故だった。日本バドミントン協会は桃田のケガについて顎部裂傷、眉間部裂傷、唇裂傷、全身打撲と発表した。

 現地で経過観察するという桃田は、大事を取って出場を予定していた次戦のインドネシアマスターズ(14日開幕)を欠場する。利き腕の左手は無事だったとみられるが、今回の事故で五輪本番のメダル取りに黄信号である。

 桃田は昨年12月、東京五輪の代表枠が得られる今年4月30日付の世界ランキング16位以内、日本人選手上位2人以内が確定し、事実上の出場権を得た。五輪の1次リーグの組分けは4月末の世界ランクをもとに決められるだけに、その時点で極力、上位につけていた方が格下選手と同組になるため有利だ。

 桃田の最新世界ランク(1月7日付)は11万1918ポイントで、2位の台湾、3位の中国選手にそれぞれ約2万ポイント差をつけて1位。しかし、今後の五輪選考大会は獲得ポイント(優勝で約5000ポイント)が大きいBWF(世界連盟)ワールドツアーだけでも9大会を残す。桃田の回復が遅れて次戦以降も欠場を余儀なくされれば、世界ランクで海外のライバルに抜かれて1位の座から転落する可能性もある。

 世界ランクが下がれば下がるほど、五輪の1次リーグでは上位選手と同組になったり、過去に対戦経験が少なく、ほとんどデータがない相手と顔を合わせることにもなりかねない。金メダル候補が1次リーグで苦戦を強いられかねないのだ。

 16年リオ五輪は違法賭博行為が発覚して出場がかなわなかった桃田。運転手が死亡するという事故だけに精神的な影響も懸念される。今後の体調次第では東京五輪もピンチだ。