競技会場の変更や合宿中止相次ぐ…新型肺炎、五輪・パラにも影響か

 日本ブラインドサッカー協会は31日、川崎市で2月8、9日に開催されるクラブチーム選手権に出場する予定だった中国のチームが不参加となったと発表した。大会を主催する同協会によると、中国側から「選手の安全面を考慮した」と連絡があったという。

 2020年東京五輪・パラリンピックに影響しそうなケースも相次いでいる。

 2月に武漢で実施されるはずだったボクシングの五輪アジア・オセアニア予選は、3月にヨルダンのアンマンで争われることになった。選手たちの強化計画に狂いが生じる事態となり、女子フライ級の並木月海(自衛隊)は「早く(五輪出場を)決めて、本番に向けて調整したかった」と語った。

 ホッケーと水球の女子日本代表は、それぞれ中国合宿の中止を決めた。

 陸上では、2月のアジア室内選手権(杭州)の中止が決定し、3月の世界室内選手権(南京)は延期。いずれも、獲得ポイントが五輪出場にかかわる世界ランキングを左右するため、極めて重要な大会だった。

 4月下旬に武漢で開かれる予定のバドミントン・アジア選手権は、現時点で中止の連絡はないものの、日本バドミントン協会は開催の見通しについて問い合わせており、回答待ちだ。

 サッカーでは、五輪の女子アジア最終予選グループリーグB組の開催地が、いったん武漢から南京に変更され、最終的に豪州となった。アジアチャンピオンズリーグは日程を入れ替え、中国チームのアウェー戦を先に実施することで対応。ホーム試合の実施は、今後の状況を見て判断するという。あるクラブの関係者は「Jリーグの日程もあるので、難しい調整が必要。過密日程を覚悟しなければならないかもしれない」と話した。

 日本オリンピック委員会(JOC)は、加盟団体を通じて日本選手の合宿や遠征の予定、中国選手の来日計画などの情報収集を急いでいる。