バドミントン山口復調 五輪へ世界3位死守ノルマ

バドミントン山口復調 五輪へ世界3位死守ノルマ

 バドミントン女子シングルスで2大会連続の五輪出場を目指す山口茜(再春館製薬所)が31日、拠点の熊本県益城町で練習を公開した。昨年後半は腰痛などに悩まされ不振だったが、今年1月下旬のタイ・マスターズで約半年ぶりにワールドツアー大会を制覇、復調への手応えを実感した。残り3カ月を切った東京五輪代表争いで山口は出場が有力で、池田雄一監督は五輪で上位シードを確保するためにも現在3位の世界ランキングの死守をノルマにした。

【写真】バドミントン女子の山口

 今年初めて本拠地に帰ってきた山口は吹っ切れていた。直前に行われたタイ・マスターズで優勝し約半年ぶりにワールドツアーを制覇。「一本一本を集中した結果、思い切り良くプレーできた」と結果以上にメンタル面の充実ぶりに手応えを感じていた。

 昨年7月にインドネシア・オープンとジャパン・オープンを連続優勝して世界ランキング1位に返り咲いた直後、腰痛を発症。俊敏性が低下して余裕を失い、不調に陥った。今年の初陣だった1月のマレーシア・マスターズは完治していたものの初戦で敗退した。

 「結果や理想のプレーを求めすぎ、現実との差にネガティブになっていた」と反省し、タイ・マスターズでは攻守のバランスを考えて試合運びをするなど相手との駆け引きに集中。決勝では昨年2連敗した韓国選手にストレート勝ちした。池田監督は「状態は上がっている。昨年7月と同じくらい」と復調に太鼓判を押した。

 五輪代表争いは残り3カ月を切った。山口は日本人3番手以下を引き離しており、2大会連続出場が有力だ。「まずは出場権を獲得する」と堅実だが、池田監督が意識するのは7月7日付の世界ランキングで決まるシード権の上位確保だ。1位の中国選手と2位の台湾選手を警戒しており、メダルを獲得するためにも五輪本番では対戦の早い段階で当たることを避けたい思いがある。

 現在3位のランキングを死守するため、特に格付けの高い3月の全英オープンでの好成績は必須。山口も「レベルが高い試合が多くなる大会。なるべく多く試合がしたい」と上位進出を誓う。準決勝で敗れた昨年を超える成績を残し、自信を深めて本番へ弾みをつける。 (末継智章) 西日本スポーツ