フクヒロが伝統の全英初V!準決勝でタカマツに圧勝、決勝で中国ペア撃破/バドミントン

 バドミントン・全英オープン最終日(15日、英国・バーミンガム)各種目の決勝が行われ、女子ダブルスは世界ランキング3位の福島由紀(26)、広田彩花(25)=アメリカンベイプ岐阜=組が同6位の中国ペアに2-0で勝ち、初優勝を飾った。第4日に行われた男子ダブルス準決勝で、遠藤大由(ひろゆき、33)、渡辺勇大(22)=日本ユニシス=組はロシアペアを下して決勝進出。女子シングルス準決勝で奥原希望(25)=太陽ホールディングス=は敗れた。

 コート上に崩れ落ちた福島に、広田が手を差し伸べた。世界選手権で3年連続銀メダルとビッグタイトルに縁遠かったフクヒロペアが、今回で110回目となる伝統の全英オープンで初優勝を飾った。

 「2年前は決勝で(負けて)、去年はベスト4だった。この大会には気持ちを入れてきて、2人で優勝することができてうれしい」

 広田は勝利後のインタビューで涙をぬぐった。決勝の相手は、準々決勝で永原和可那(24)、松本麻佑(24)=北都銀行=組を下して勢いに乗る世界ランキング6位の杜●(=王へんに月)、李茵暉組(中国)。第1ゲームでは4-4から6連続ポイントで一気に主導権を握り、わずか17分で先取。2ゲーム目は一進一退の攻防となったが、福島と広田が前後左右に動き回り、最後は21-15のストレート勝ちで初タイトルを手にした。

 世界バドミントン連盟(BWF)は13日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今大会後の16日から4月12日までの期間で開催予定だったワールドツアーの大会中断を発表。今後の見通しが立たないが、フクヒロは今大会の準決勝で2016年リオデジャネイロ五輪金メダルの高橋礼華(29)、松友美佐紀(28)=日本ユニシス=組を下すなど、五輪レースポイントで日本勢1位をキープ。全英オープンの優勝で1万2000ポイントを加算し、代表選考レースでライバルを突き放した。

 「いろいろなことがあるなか、110回目の試合がこうして開催されて、その中で優勝することができてうれしい」と福島。ウイルスという目に見えない敵とも戦いながら、フクヒロが東京五輪へひた走る。