「生徒ショック受けてる」 コロナ影響、高校全国大会中止相次ぐ 千葉県内指導者から落胆の声

「生徒ショック受けてる」 コロナ影響、高校全国大会中止相次ぐ 千葉県内指導者から落胆の声

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大規模イベントの中止、延期が相次ぐ中、3月に予定されていた高校スポーツの全国大会がすべて中止となった。千葉県は卓球やハンドボールの会場だった。全国の強豪と力試しができる場がなくなり、出場予定だった県内の指導者からは落胆の声が漏れる。

◆「残念」「仕方ない」
 「頑張ってきたのは野球だけじゃないんです」。無観客での開催も検討された選抜高校野球を挙げながら悲痛な思いを語るのは、千葉経大付卓球部の渡辺稔之監督。千葉ポートアリーナで行われる全国高校選抜大会に男女で出場するはずだった。

 女子は開催地枠を勝ち取り初めての全国大会に向けて士気を高めていた。「地元開催という巡り合わせで男女の出場がかなったのに残念。応援もたくさん来てくれるはずで、生徒たちもショックを受けていると思う」と声を落とす。

 一方で、大会運営委員としての胸の内も明かす。「千葉県でも複数の感染者が出ていた状態で、他県の選手を呼ぶことはできない」。生徒たちの安全を最優先した判断だとした上で、教育的観点から「(生徒たちに)当たり前に競技ができるありがたみを感じてほしい」と続けた。

 男子ボクシングで習志野2年の堤麗斗は入学後からの高校タイトル全制覇へ残り三つとしていたが、闘わずして偉業が途絶えた。同校の関茂峰和監督は「本人もこだわっていた部分。達成したかったと思う」と代弁する。日体大柏は男子レスリング団体3連覇が懸かっていたが、森下史崇顧問は「残念だが仕方がないと思うしかない。夏に向けて切り替えたい」と前を向いた。

 剣道男子の市船橋は1956年の学校創立以来、団体戦では初めての全国大会出場だった。佐藤貴一監督は「悲願だった。休校中は各自の出身道場で稽古をつけてもらった」。ハンドボールは埼玉県と千葉県が会場となっていた。開催地枠で15年ぶりの全国大会出場を手にしていた二松学舎大柏の池田憂輝監督は「貴重な全国大会を経験させてあげたかった」と悔しさをにじませた。