“ソノカム”園田&嘉村「不安」「つらかった」延期の五輪へ再出発

引用元:スポーツ報知
“ソノカム”園田&嘉村「不安」「つらかった」延期の五輪へ再出発

バドミントン子男複 バドミントンのS/Jリーグで4連覇中の強豪・トナミ運輸(高岡市)は、1日に日本代表選手が練習に合流し、再スタートを切った。3月の全英オープンから帰国後、同17日から31日まで自宅待機をしていた男子ダブルスの“ソノカム”こと園田啓悟、嘉村健士(ともに30)組も鮮やかなプレーを見せた。男子シングルスでは秦野陸、高橋洸士(ともに18)が新加入し、4年後のパリ五輪出場を誓った。

 トナミ運輸の日本代表がチームに合流し、全部員13人が地元の高岡市内で練習を再開した。新型コロナウイルス感染防止のため、選手たちは1メートル以上の間隔で荷物を置き、練習の合間には距離を空けて休憩。1日に2回の検温を行い、体調に異変があればすぐに報告する厳戒態勢だ。荒木純監督は「1か月間は県外に出られず、隔離されている状態。でも、代表選手が多く、代表合宿と変わらない練習環境で良かった」と前向きに捉えた。

 全英オープンから帰国後、代表選手は2週間の自宅待機となった。幼い頃、小児ぜんそくを患っていた嘉村は「感染が心配で、体がだるいと不安になる。外出はスーパー、コンビニに出かけるくらいでつらかった」と振り返る。一方で、ストイックな園田は、部屋の中で腕立て200回、腹筋・背筋を各300回をこなしていたが「自宅で1~2時間、続けていると煮詰まる」とストレスを感じてきた。

 男子ダブルスの園田・嘉村組は世界ランク4位、同シングルスの常山幹太(23)は同11位と、東京五輪出場は濃厚となっていた。しかし、次々と国際大会が中止、延期になる中、新たな出場条件は未発表のままだ。荒木監督は「選考をやり直すことはあり得ないと思うが、われわれも不安で、はっきりと決めて欲しい」と話した。

 4月の代表合宿は中止になり、国内外で大会の実施も不透明。試合感覚を維持するのは難しい状況だ。「来年7月まで、どう過ごすか、現実味を帯びて考えられない。今日は今日、明日は明日という感じです」と園田。先の見えない中、手探りで来年7月の東京五輪開幕を目指す。

(中田 康博) 報知新聞社