元「フジカキ」バド藤井瑞希さん 注目集めるテクニック動画、続々と公開できたワケ

元「フジカキ」バド藤井瑞希さん 注目集めるテクニック動画、続々と公開できたワケ

 東京五輪でメダル量産が期待されるバドミントンの代表選考レースは、終盤で新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて中断した。2012年ロンドン五輪女子ダブルスでバドミントンでは日本勢初の五輪メダルとなる銀メダルを獲得した藤井瑞希さん(31)=熊本県芦北町出身=が西日本スポーツのオンライン取材に応じ、1年延期された五輪の代表争いについて語ったほか、代表の後輩たちや集大成となる大会が中止となった中高生にエールを送った。 (取材、構成=伊藤瀬里加)

【動画】バドミントン初心者の方も必見!コツを藤井さんが解説

「ユーチューブ」で技術動画など話題
 -「ユーチューブ」に投稿した技術動画が注目を集めている。

 3月上旬くらいに撮りました。コロナの話が出始めた時期。東京五輪に向けて技術動画を出したかった。記者の方やバドミントンを知らない方に技術を覚えてほしいと思って撮影した。

 -結果的に自粛期間には最適なコンテンツとなった。

 皆さんに提供できるものがあってよかった。技術動画はずっとやりたかったけど、編集が難しい。3月に体育館が取れて、6~7時間かけて一気に全部撮りました。バドミントンの基礎的なもの。バドミントンを見る機会が増えた一般の人たちがいるのではないかと東京五輪までには出そうと思っていた。

 -反響は。

 全中(全国中学校体育大会)やインターハイ(全国高校総合体育大会)がなくなって、保護者から選手たちがショックを受けているというメッセージをもらった。でも「全中はなくなったけど、高校でも続けるので、藤井さんの動画を見て勉強しています」などと言ってもらえることがあり「よかったな」と思う。

 -中高生は目標を失い、難しい状況にある。

 私自身も高校生の時、五輪選手になりたいとはほとんど考えていなくて、インターハイで優勝することだけだった。そういう自分を振り返ると、大会がなくなった選手に何と声を掛けていいか分からない。ただ、今は目標を失って悲しい気持ちの選手が多いと思うけど、五輪選手になった私だってバドミントンをやめてから先の人生の方が長い。バドミントンが全てではないというか、競技を通して何を学ぶかが大事だと思う。

 -悔しい経験を次のステージにどう生かすかが大事になる。

 競技を通してどんなことを学んだかということを考えられるようになったら、その競技をやっていてよかったと思えると思います。