桃田賢斗が“全快”アピール「100%の状態で練習に取り組めている」

引用元:スポーツ報知
桃田賢斗が“全快”アピール「100%の状態で練習に取り組めている」

 バドミントン男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗(25)=NTT東日本=が26日、オンライン取材に応じ、1年延期となった東京五輪での金メダル獲得へ、改めて意欲を燃やした。1月に海外遠征中の交通事故で負った右眼窩(がんか)底骨折も順調に回復し「プレー中は全く問題なく見える。気持ちの面も合わせると100%の状態で練習に取り組めている」と“全快”を強調。9月以降の海外ツアー再開、充実感を漂わせた。

 桃田の思いは真っすぐだ。史上初の五輪延期にも「自分の思いは全く変わっていない。支えてくれる周囲に恩返しするためにも、五輪に向けて頑張りたい。コートの中で諦めない姿勢、泥臭いプレーを見てもらいたい」と熱く思いを込めた。3月の事故後初会見では五輪金メダル取りを公言しているが、今回も改めて「変わらず、その目標へ毎日頑張りたい」と約束した。

 明るい表情の裏には、回復の手応えがある。事故で負った右眼窩底骨折は、2月の手術を経て全治3か月。事故から5か月が過ぎ「プレー中は全く問題なく見えるようになった。98%くらい、前と同じように見えている。気持ちの面もあわせると100%の状態で練習に取り組めている」と明かした。代表合宿はコロナ禍で見合わせが続くが、所属の施設で強度を上げた練習もこなす。「ゲーム練習が普通にできるくらいのレベルには戻っている」とうなずいた。

 半年以上実戦を離れる経験も、成長の糧だ。「試合続きだと、弱点の課題に取り組む時間が少ない。自分を見つめ直し、バドミントンの捉え方も自分の中で変わった。課題も明確で、ポジティブに取り組めている」。鉄壁の守備を引き立てる攻撃力強化が今のテーマ。パワー、スピード、スタミナ。技術と筋力を高め、課題克服へ汗を流す。「すごく充実した毎日を過ごせている」と声が弾んだ。

 9月1日からの台北OPでツアーは再開予定。出場確実としている東京五輪へ、歯車は再び回り出す。金メダル大本命の世界1位。全員に等しく与えられた期間だが、プラス1年の過ごし方が未来を左右する。「今のプレーに満足していない。(事故が)起きてしまったのは仕方ないし『あれがあったからダメだ』と言い訳もしたくない。もっともっと強くなりたい気持ちが今はある」と目に力を宿した。(細野 友司)報知新聞社