バドミントンのソノカム、目標失った後輩へ「人間だから仕方がない」/トップアスリートが高校生の質問に答えます

バドミントンのソノカム、目標失った後輩へ「人間だから仕方がない」/トップアスリートが高校生の質問に答えます

 東京五輪を目指すアスリートが母校の後輩たちの質問に答える特別企画にバドミントン男子ダブルスの園田啓悟(30)と嘉村健士(30)=ともにトナミ運輸=が登場。熊本・八代東高時代から同級生ペアを組む「ソノカム」は世界選手権で2017年に銅、18年は銀メダルに輝き、東京五輪はメダル獲得が期待される。晴れ舞台を失った高校生の胸の内をおもんぱかり、メッセージを送った。

【写真】2007年の全国高校総体でプレーする八代東高の嘉村健士・園田啓悟組

 今月18日、園田と嘉村は母校の八代東高に出向いた。恩師の権藤浩二監督から3年生を励ましてほしいという依頼を快諾。全国高校総体(インターハイ)の中止に伴って開催された熊本県の代替大会の男子会場が同校体育館だったため、サプライズで登場し、参加選手たちとシャトルを打ち合った。2人は今回の回答でも全国の舞台を失った後輩たちに心のこもったメッセージを送った。

 バドミントン部・北崎選手「もし高校時代に今の状況になっていたら、どのような気持ちで練習に取り組まれますか」

 園田「3年生でインターハイがなくなったら間違いなくモチベーションが下がってあまり練習をしなくなると思います。人間だからしょうがない。逆にこの時間が大事。友達と遊んで少し忘れる。そして少しずつ後輩の1、2年生の相手をしていくと思います」

 嘉村「練習に身が入るかは難しい。しかし、この苦しい時期にどれだけ頑張れるかによって、将来、壁にぶつかった時にはね返すパワーになると思う。何でもいいので目標を立て、それに向かって前向きに頑張る。ただそれだけです」

 園田と嘉村も、目指してきた東京五輪の出場権をつかみかける直前に1年延期が決まった。新型コロナウイルスの感染拡大で今も先の見えない状況と闘っている。

 ソフトボール部・山本選手「五輪延期を前向きに捉えるため、どのような考えをお持ちですか」

 園田「決まった時は正直きつかったですが、今は家族の時間が増えたことが一番うれしいです。前向きに捉えるというよりは一日一日全力で自分と向き合って過ごしています。これが前向きにつながってくれれば一番いいですね」

 バスケットボール部・松永選手「練習が再開して、一番に思ったことは何ですか」

 嘉村「全て当たり前にできていたことが当たり前ではなかったんだと思いました。これまで以上に、当たり前じゃないと感謝し、一日一日を無駄にしてはいけないと感じています」

 高校時代からペアを組み、インターハイは4強。卒業後の進路は別々になったが、トナミ運輸で再び出会い、コンビネーションを高めて世界のトップに上り詰めた。

 バドミントン部・上田選手「試合でうまくいかなかった時、(2人で)どのような話をしていますか」

 園田「パートナーがゲームメークをし、ここの球はカバーしてほしいなどの意見をくれるので、そこを修正して自分たちの持ち味を出していこうという話をします」

 嘉村「2人で話すことも大事ですが、まず自分のプレーを見つめ直す。すぐに話をしてもうまくいかないと思うので、その後2人でコンビネーションの部分などを話し、次の試合に向けて意思疎通ができるような話をしています」次ページは:緊張をほぐすには…

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