【記者の目】19年世界選手権の2点差敗戦が分岐点…高橋礼華が引退

引用元:スポーツ報知
【記者の目】19年世界選手権の2点差敗戦が分岐点…高橋礼華が引退

 16年リオ五輪バドミントン女子ダブルスで日本勢初の金メダルに輝いた「タカマツ」の高橋礼華(30)=日本ユニシス=が、引退の意向を固めたことが18日までに分かった。21年東京五輪出場争いでは、圏外の日本勢3番手となり、代表入りが絶望的となっていた。リオの頂点に立ってから、日本時間19日で4年の節目。高橋礼はペアの松友美佐紀(28)とともに近く会見し、思いを語る。

 あの一戦が、大きな分岐点だった。19年8月23日。世界選手権(スイス)準々決勝で、タカマツは中国勢と同大会最長2時間6分の死闘を演じた。相手は足をつり、座り込んだ。最終ゲーム23―22。“あと1点”から、高橋礼がサーブミス。23―25で白星を逃した。試合後、高橋礼は疲労で立てず、松友だけが取材に応じる異例の形。「悔しいけど、楽しかった」と目を潤ませた。会場を熱狂させた激戦。偽らざる本音だっただろう。

 世界選手権はレース各大会で最も格付けが高い。ライバルのナガマツは優勝で1万3000点。フクヒロも準Vで1万1000点を手にし、差をつけられた。さらに、国別最大2枠のワールドツアーファイナル(19年12月)は、世界選手権女王のナガマツとランキング上位のフクヒロが参戦。世界選手権に次ぐ高格付けの大会でポイントを積む機会を失った。リオでは最終ゲーム16―19から大逆転Vした2人。粘り強い魅力を披露しながらも喫した、2点差の黒星が痛かった。(バドミントン担当・細野 友司)報知新聞社