タカマツ・高橋 松友は「気持ち分かってくれて」晴れやか“金”記念日に引退

タカマツ・高橋 松友は「気持ち分かってくれて」晴れやか“金”記念日に引退

 バドミントン女子ダブルスで2016年リオデジャネイロ五輪金メダリストの高橋礼華(30)、松友美佐紀(28)組=ともに日本ユニシス=が19日、オンライン会見を開き、高橋は現役引退を報告した。松友は混合ダブルスに軸を置いて現役を続行すると明言。高校時代から結成し、日本バドミントン界に偉業を残したレジェンドが、13年間のペアに終止符を打った。

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 ずっと闘志を宿してきた目を、高橋は少し涙でにじませた。「競技生活を終えることを決めました。あと1年自分の気持ちと体が持つのかなと」。16年リオ五輪で日本勢初の金メダルを獲得した後は、東京五輪での2連覇を目指した。だが2枠の出場権を巡る国内争いは激しく、世界ランク6位にいながら日本勢3番手。五輪出場は既に絶望的だった。

 コロナ禍で選考レースが中断し、東京五輪自体も1年延期。「来年大逆転して(五輪に)出られたとしても、金メダルを取れるのか考えた時に厳しいなと。自分の気持ちを固めて決断しました」。自粛期間に自身と対話を重ね、引退へと思いが傾いた。

 松友には6月のチーム練習が再開した時に思いを伝えた。「『一回考えます』と答えてくれて。私の気持ちをわかってくれて、『私はバドミントンが好きなので続けます』と」。1学年下の松友とは聖ウルスラ学院英智高時代の07年にペアを結成し、08年の全国高校総体で2冠を達成。10年に日本代表となり、14年に現行の世界ランキング制度で全種目を通じて日本勢初の世界ランク1位になるなど、バドミントン界に偉業を刻み込んだ。

 苦楽をともにした盟友とはこれから違う道を歩むが、「一番に応援したい」と絆は不変だ。今後は未定だが、後進の指導に当たる意向を示し、さらには国内大会の会場でカフェなどの飲食店を出店するという夢を明かした。「お客さんの観戦に興味がある。より楽しく見てもらうためにどういうことをしなければいけないか考えたい」と意欲を燃やした。

 4年前の日本時間8月19日は、金メダルを獲得した日。日本バドミントン界初の五輪メダル、初の世界ランク1位と歴史を塗り替えてきたレジェンドは「やり残したことは本当にない」と晴れやかに語った。日本中を感動の渦に巻き込んだ日からちょうど4年の節目に、競技生活に幕を下ろした。