「この競技を続けると世界に友達ができる」 セーリング関一人が高校生に贈ったエール

引用元:THE ANSWER
「この競技を続けると世界に友達ができる」 セーリング関一人が高校生に贈ったエール

 セーリング選手として国内外で活躍した関一人さんが8月30日に配信された「オンラインエール授業」に登場した。この企画は、「インハイ.tv」と全国高体連が「明日へのエールプロジェクト」の一環として展開。インターハイ中止という経験から前を向く全国のヨット部約80人に対して授業を行い、気持ちの切り替えと競技を通じて生まれる人とのつながりの大切さを伝えた。

 この「オンラインエール授業」は、インターハイ実施30競技の部活動に励む高校生とトップアスリートらが、「いまとこれから」をオンラインで話し合う企画。これまで、ボクシングの村田諒太、バドミントンの福島由紀と廣田彩花、卓球の水谷隼、サッカーの仲川輝人、佐々木則夫さんらが講師を務め、高校生たちが今、抱く想い、悩みに寄り添いながら、未来に向かって激励してきた。

 第30回の講師は、国内外で活躍した元セーリング選手の関一人さん。高校時代は2年、3年とインターハイ、国体に出場。2004年アテネ五輪では、セーリング男子470級で3位となり、日本男子初のメダルを獲得した。現在は現役を引退し、トヨタ自動車東日本セーリングチーム監督、そしてセーリング470級、現男子日本代表の監督を務めている。

 授業は関さんの挨拶でスタート。高校生たちが硬くなっている様子を察し、「今日は少しでも皆さんのなかで、有意義だったなと思えるような時間にしていきたいと思います。緊張せず、いつも通りいきましょう!」と、快活な口調で呼び掛け、空気を和ませた。

 授業はまず、小学校2年生からヨットを始めたという関さんの学生時代を振り返った。中学3年生になったとき、「受験をせず、ヨットで高校に入りたい」と考えた関さん。なんとヨット部のある私立高校に出向き、「僕をこの高校に入れてください!」と直談判。およそ大人では思いつかない大胆な行動に心を動かされたのか、ヨット部の先生が受け入れ、進学が決まったという。

「勝手に現れ、『学校に入れてください!』というわけのわからない中学生を受け入れてくれた、先生の心の深さに感謝です。

 僕は五輪に出たかったので、最初はニュージーランドに留学しようと思っていました。しかし、(日本で)五輪に出場するには、高校、大学を出て、会社に入らないといけないのかなと思い、高校には『同年代には絶対に負けたくない!』という想いで入学。インターハイ、国体、全日本選手権と、大きな3大会で優勝する目標を持っていました」

 高校時代の練習場は、茨城県の霞ケ浦。週7日間、土日も毎週欠かさず、湖面に出て練習していたという。

「高校3年間は、毎日、湖で練習することが出来たので本当に楽しかった。ヨット部の仲間と切磋琢磨する日々は、非常に充実していました」

 続いて授業は「技術」「メンタル」「将来」の3テーマに沿った、質疑応答のコーナーへ。次ページは:今もある「怖い」と思う瞬間、でも「時間が解決するので、自信を持って続けて」

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