正代、男気聖火リレー 愛する故郷・熊本のため…来年夏場所4日前でも走る 30日大関昇進伝達式生配信

引用元:スポーツ報知
正代、男気聖火リレー 愛する故郷・熊本のため…来年夏場所4日前でも走る 30日大関昇進伝達式生配信

 大相撲秋場所で初優勝した関脇・正代(28)=時津風=の大関昇進が30日、日本相撲協会の11月場所(同8日初日、東京・両国国技館)番付編成会議と臨時理事会で正式に決まる。29日はリモート取材に応じ、郷土愛あふれる“新大関”は、来年5月に延期された地元・熊本での東京五輪聖火リレー参加にも前向き。昇進伝達式で述べる口上については四字熟語に決めたことを明かした。

 熊本県初の優勝力士は、故郷での大役を待ち望んでいた。1年延期された東京五輪の聖火リレーの新日程が前日(28日)に発表。正代の地元・熊本県は来年5月5、6日に行われる。今年の段階でランナーに選出されている正代だが、夏場所(同5月9日初日、両国国技館)直前にあたる。それでも、愛する地元のために「来年のことなので何ともいえないけど、支障がないように調整できたら」と前向きな姿勢を見せた。

 熊本県によると来年5月5日に生まれ育った宇土市を走る。日程的には今年と同様、夏場所4日前。本来は出稽古などで最終調整する仕上げの時期だが「喜んでいただければ」と迷いはなかった。その故郷では今場所の「初優勝&大関昇進」を祝したパレード開催へ、着々と準備が進行。この日は後援会長らが上京し、関係各所との調整に動いた。

 30日の大関昇進伝達式は協会の公式YouTubeで生配信される。注目の口上は、28日の優勝一夜明け会見後に師匠らと相談して内容を固め、3つの候補から決めた。「今後の自分の生活に当てはまるもの。『こうありたい』というのもそうですし『こうしていく』という感じ」と決意を込めた言葉。報道陣から文言の質問が続くと「普通にバラしちゃっていいものですか?」と逆質問する一幕も。最終的には「四字熟語です」とだけ明らかにし「なるべくかまないようにしたい」と意気込んだ。

 優勝を決めた千秋楽は「人生で一番緊張したかも」と振り返った正代は、晴れ舞台を前に「ちょっと緊張してるくらい。今日の夜、もしくは直前は(千秋楽の緊張と)いい勝負するんじゃないですか」とニヤリ。大関は角界の頂上を目指す戦いの始まりでもある。「(横綱は)相撲界では神様みたいな地位」。来春の聖火リレーは大関として務めるのか、はたまた―。新大関・正代が、きょう誕生する。(竹内 夏紀)

 ■熊本県も歓迎

 故郷・熊本県は29日、電話取材に応じ、聖火ランナーの正代に歓迎エールを送った。県の担当者は「豪雨災害、熊本地震などいろんなことがあった中で、正代関の姿は県民に感動を与えてくださる。初優勝に県民も本当に喜んでいます」。聖火リレーの日程が来年夏場所直前となったが、正代の前向きな姿勢に「私どもとしても安心しました。ぜひ勇気を与えていただきたい」と声を弾ませた。

 ◆熊本県での聖火リレー 今年は正代のほか、陣内貴美子さん(バドミントン)、末続慎吾(陸上)、同県のジムで初の世界王者になった福原辰弥さん(ボクシング)らが走る予定だった。来年は1日前倒しの5月5、6日で人吉市から熊本市をつなぐ。正代の故郷・宇土市は県内4番目の市町村で、今年の予定と同じなら同市2番目の走者。報知新聞社