バドミントン7か月ぶり海外遠征…陣内貴美子氏が大会の意義を解説

引用元:スポーツ報知
バドミントン7か月ぶり海外遠征…陣内貴美子氏が大会の意義を解説

 バドミントンの国際大会再開初戦となるデンマーク・オープン(オーデンセ)が13日、開幕した。3月中旬の全英OP以来、7か月ぶりの海外遠征となる今回は、日本代表23選手のうち6選手が参戦。スポーツ報知で評論を担当する92年バルセロナ五輪女子ダブルス代表の陣内貴美子氏(56)が、今大会の意義を解説。「試合勘」をテーマに掲げ、国内に残った選手たちにもメリットはあると強調した。男子シングルス1回戦には第6シードの西本拳太(26)=岐阜県協会=が日本勢の先陣を切って登場し、M・ジルベルマン(イスラエル)に2―0で快勝した。

 コロナ禍で相次ぐツアー中止に見舞われたバドミントン界が、7か月ぶりに再出発した。五輪レース対象外の今大会。陣内氏は日本勢6選手があえて参加を決めた最大の目的は、「試合勘」を取り戻すことだと見る。

 陣内氏「やはり、試合勘や雰囲気を取り戻したいのだと思います。試合前に、各国の選手がそれぞれ練習している雰囲気すら、当たり前ではなく新鮮なはずです。コロナも含め中断期間に何をしていたとか、何に困ったとか、他選手と情報交換の場にもなるでしょう。一つでも多く勝ち進み、試合経験を重ねてほしいです」

 中国勢など、渡航リスクから参戦を見送った強豪選手も多い。トーナメント序盤は、格下選手と当たるケースもあるが、試合でしか感じられない収穫もある。

 陣内氏「相手が誰であれ、試合での緊張感は練習とは違うものです。コントロールのミスや、体力面でも思いがけずスタミナをロスして、足が動かなくなるかもしれません。試合では、そういったイメージとのギャップを感じられます。普段対戦しない選手は変則的なプレーをしてきて、自分のプレーができないことも考えられますし、慎重に臨む必要があります」

 日本代表のうち、男子シングルスの桃田賢斗(26)=NTT東日本=らは、コロナ禍を警戒する所属先の判断もあって遠征を見送った。国内に残る決断をした選手も、今大会から得られる材料はある。

 陣内氏「合宿で打ち合った仲間が試合をするわけです。例えば西本選手のプレーをみて、一緒に練習している桃田選手は、世界のプレーはこれくらいだな、自分が出ていたらこうだっただろうな、と置き換えることができるはずです。その点で、行く意味もあるし、残る意味もあると思いますね」

 今大会は選手の活動区域を管理するなど、コロナ禍での今後のツアー開催へ試金石となる部分も大きい。

 陣内氏「本来は全ての国が参加できればよかったですが、開催されたこと自体に意義はあると思います。スムーズにいけば、今後のモデルケースになるかもしれない。まずは安全に成功するようにと願っています」報知新聞社