バッハ会長、選手村に大満足?「成功間違いなし」

引用元:日刊スポーツ
バッハ会長、選手村に大満足?「成功間違いなし」

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(66)が17日、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの選手村(東京都中央区晴海)を訪れた。

川淵三郎村長、上村春樹村長代行らの案内で居住棟の内部を確認。21棟の完工後は初めての訪問で、大会組織委員会の遠藤利明会長代行、小谷実可子スポーツディレクターや、バッハ会長の出身と同じフェンシングで五輪2大会出場の千田健太氏、トライアスロン女子で4大会連続の五輪代表を目指す上田藍、パラバドミントン女子シングルスの里見紗李奈らが同行し、時には意見も求められながらメインダイニングホールや中庭も回った。

視察後、取材に応じたバッハ会長は「素晴らしい施設だった。過去大会の選手村の(比較の)話にもなったが、今回は、よりファンタスティックだ。スペースも十分あるのでソーシャルディスタンスも確保できるだろう」と、出来栄えも新型コロナウイルス対策の観点からも高く評価した。

晴海埠頭、目の前にはレインボーブリッジ。「真っ正面に見えて素晴らしい。夜、疲れた時に見たら恋に落ちるでしょう。東京に恋するでしょう。ここを利用できる選手はラッキーだ。安心して、リラックスして過ごせるはずだ」と笑顔で持ち上げた。

川淵村長が「バッハ会長から『大会の成功、間違いなし』とのお言葉をいただいた」と明かせば、上村村長代行も「『よくできている』と、本当に大満足という様子だった」と紹介。バッハ氏と上村氏が、ともに76年モントリオール五輪に出場していることにも話が広がった。バッハ氏はフェンシングの男子フルーレ団体で金メダル、上村氏は柔道無差別級で金メダルを取っており「『あの時は2段ベッドだったね。上で寝た? 下で寝た?』と聞かれて、自分は体が大きいので下で寝た、と答えました」など、やりとりを語った。とても気分が良かったことで、バッハ会長は予定になかった取材に応じたのかもしれない。

選手村は大会中、最大1万人以上の選手やコーチらの生活拠点となる。政府や東京都、組織委は感染拡大防止のため、選手村の敷地内に発熱外来を設置することや居室にサーキュレーター等を置いて空気を循環すること、食堂では座席削減やアクリル板の設置、あらかじめ小分けにしたメニューを提供するなどの対策を検討している。【木下淳】