リオ金のタカマツ、五輪ピンチ…ナガマツに完敗し準決で散る/バドミントン

 バドミントン・全日本総合選手権第5日(30日、東京駒沢体育館)各種目の準決勝が行われ、女子ダブルスは2016年リオデジャネイロ五輪金メダルの高橋礼華(29)、松友美佐紀(27)=日本ユニシス=組が、世界選手権2連覇の永原和可那(23)、松本麻佑(24)=北都銀行=組に11-21、20-22でストレート負け。女子シングルスで3連覇を狙った山口茜(22)=再春館製薬所=は大堀彩(23)=トナミ運輸=に敗れた。

 ライン際に落ちたシャトルが遠かった。3年ぶり6度目の優勝を狙った高橋、松友のタカマツペアは、高さを武器とする永原、松本のナガマツペアにストレート負け。今大会は五輪レースのポイントに反映されないが、代表を争うライバルに完敗した。

 「あまりきょうはいいところがなかった。悔しい」と松友。高橋は「毎日毎日きついものを抱えながらやっていた」と現状を明かした。

 今年の4月末からスタートした2020年東京五輪代表争い。最大2枠をめぐり、現在五輪ポイントでランキング1位の福島由紀、広田彩花組(アメリカンベイプ岐阜)を、同3位のナガマツ、同6位のタカマツが追う。タカマツとナガマツのポイント差は6921ポイントで、タカマツは世界ランキング4位ながら現状は五輪代表圏外。高いポイントを得られる12月11日開幕のワールドツアー・ファイナル(中国・広州)に、タカマツだけ出場できない。

 日本代表の朴柱奉監督は、タカマツについて「ポイント的にはピンチだと思う。来年1月から4月のレースで優勝が何回かないと心配になる」と指摘。全日本のタイトルを逃し、涙を流した高橋も「崖っぷち」と苦しい状況に立たされていることを自覚する。

 「胸を張っていいバドミントン人生だったと思えるように4月まで頑張りたい」と高橋。松友も「二人で後悔しないように、この1カ月しっかりやり直したい」と気丈に前を向いた。来夏の東京五輪を集大成に位置づけるタカマツにとって、最後となる可能性がある全日本は、消化不良に終わった。二人にとって、正念場の大会が続く。