トナミ運輸、15年ぶり2度目のリーグ4連覇 荒木純監督「選手たちに感謝しています」

引用元:スポーツ報知
トナミ運輸、15年ぶり2度目のリーグ4連覇 荒木純監督「選手たちに感謝しています」

◆バドミントン S/Jリーグ順位決定戦(22日、富山・東洋通信スポーツセンター)

 トップ4トーナメント決勝が行われ、トナミ運輸(高岡市)が2―1でNTT東日本(東京)を下し、4連覇を達成した。第2ダブルスで園田啓悟・嘉村健士組(ともに29)が大活躍。序盤はリードを許したが、右肩を故障していた嘉村が11月2日の開幕戦以来となる復帰戦で気迫のプレーを見せて大逆転した。今季はけが人が続出する苦しい展開の中、チーム一丸となって優勝を果たした。

 キャプテンの嘉村が、満面の笑顔で何度も宙を舞った。3100人の観衆の中、本拠地の高岡市で、日本リーグ時代を含め15年ぶり2度目のリーグ戦4連覇。NTT東京の10連覇に次ぐ2位タイ記録だ。荒木純監督は「4回の優勝の中で、一番疲れました。故障者が出て、うまく進まない中、選手たちに感謝しています」と感慨深く振り返った。

 エース兼キャプテンの嘉村が、強行出場した。4月から始まったオリンピックレースでは連戦が続いて疲れもピーク。今月初旬の海外遠征で右肩に違和感を感じ始め、炎症と診断。痛みで肩が上がらないほどだったが「出ない選択肢もあったが、キャプテンとして最後は決めたい」と前日に出場を決めた。リーグ戦と順位決定戦合わせて5試合ぶりに復帰した。

 単複で1勝1敗。園田とのコンビ「ソノカム」は優勝を決める第2ダブルスに出場した。ピンク色のテーピングを右肩に巻き、痛み止めの注射に加え、座薬を入れて臨んだ。序盤から徹底的に嘉村は狙い打ちされ、4連打させられることも。「スマッシュも打てないし、下からも手が出ない。啓悟に頑張ってもらった」と嘉村。どうにかドライブでつなげて、後衛の園田が強打を連発。終盤は世界ランク3位の貫禄も見せつけて勝ちきった。

 今季のチーム目標は「ワンチーム」、「エンジョイ」すること。けが人が続出し、ダブルスのペアも毎試合のように変更。この日は男子シングルス世界ランク10位の常山幹太(23)がダブルスで出場したが、「楽しんでいこう」と声を掛け合いながら勝利を果たした。

 日本一を達成し、次の目標は東京五輪だ。「この優勝で勢いに乗り、オリンピックレースを戦いたい」と嘉村。来夏の大舞台出場に向け、さらなる飛躍を誓った。(中田 康博) 報知新聞社