桃田賢斗の遠征中の交通事故、移動は大会側が手配

引用元:スポーツ報知
桃田賢斗の遠征中の交通事故、移動は大会側が手配

 バドミントンの男子シングルス世界ランク1位の桃田賢斗(25)=NTT東日本=が13日早朝、マレーシア・クアラルンプール近郊で交通事故に遭い、負傷した。乗っていたワゴン車が高速道路で前を走る大型トラックに追突。日本協会によると顎や唇、眉間に裂傷を負った。運転していたマレーシア人は死亡。20年東京五輪出場を確実にし、金メダルの最有力候補に挙げられているエースが、五輪イヤーに思わぬ不運に見舞われた。

【図表】バドミントンの今季主要国際大会

 18年ジャカルタ・アジア大会を現地取材した時のことだった。高速道路で空港から市内に向かうタクシーが時速120キロで車列を縫うように走り、渋滞と見るや路肩走行で駆け抜けた。さすがに恐怖を感じ、万一の際の証拠にとスマートフォンで録画したのを覚えている。海外の交通事情に日本の常識は通用しない。起きなければいいと願っていた事故が、勝負の五輪イヤーに金メダル大本命を襲ってしまった。

 国際ツアーでは、宿舎から空港や試合会場に向かうなどの現地移動は、基本的に大会側が車を手配する。今回も日本人の他に、映像判定に用いる「ホークアイ」システムの技術者が同乗していた(命に別条なし)。バドミントンは特に東南アジアで人気が高く、ツアー開催も多い。今後もマレーシアOP(3~4月)、シンガポールOP(4月)など格付けの高い試合が続く。シートベルトなど、命を守る自衛策を徹底する他ない。

 16年リオ五輪。桃田は代表入りを確実にしながら、違法賭博問題で出場できなかった。「注目の中で結果を残せば最高の恩返しになる」と位置づける東京五輪だから、何とか最高の状態でコートに立てるように祈るばかりだ。(バドミントン担当・細野 友司) 報知新聞社