バドミントン山口、武漢での大会不安視 4月にアジア選手権

バドミントン山口、武漢での大会不安視 4月にアジア選手権

 中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の拡大は、開幕まで半年を切った東京五輪を目指す選手にも影響を及ぼしている。

【写真】バドミントン女子の山口

 バドミントンの五輪代表選考レースの最終戦となるアジア選手権は4月21日から26日まで武漢市で予定されている。同地での開催可否について世界バドミントン連盟は「最終的な結論を出すには現時点で早すぎる」との声明を発表しているが、女子シングルスで五輪代表に近づいている山口は31日、所属先の再春館製薬所の体育館で「身の危険を呈してまでやる必要はない」と訴えた。

 五輪代表枠は4月26日までの世界ランキングで決まる。同時期には同じくランキング対象の欧州選手権を開催。再春館製薬所の池田監督は「欧州選手権も五輪の(世界ランキングの)ポイントに入れないように配慮するかどうかは分からない」と不安を口にした。

 仮にアジア選手権前に代表を確定させていたとしても有利な組み合わせで五輪に臨むためには世界ランキングを上げて上位シードを獲得する必要があり、同選手権の開催可否や、欠場の決断が山口のメダル獲得の戦略に影響を及ぼすことになる。

 ボクシング男子ウエルター級の岡沢セオン(鹿児島県体協)らが出場する東京五輪アジア・オセアニア予選は2月に武漢市で開催予定だったが、ヨルダンの首都アンマンで3月3~11日に代替開催。1カ月近く代表決定が遅れる事態になった。

 また、卓球の五輪代表に決まっている張本智和(木下グループ)、伊藤美誠(スターツ)らが招待され、中国の海南省で2月28日から行われる予定だったアジアカップは延期になった。 (向吉三郎、末継智章) 西日本スポーツ