「お腹が凹む」「痩せる」は誤解? 独り歩きする“体幹トレの知識”を正しく解説

引用元:THE ANSWER
「お腹が凹む」「痩せる」は誤解? 独り歩きする“体幹トレの知識”を正しく解説

 忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。

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 最近はトップアスリートのみならず、一般の運動愛好家にも定着した“体幹トレーニング”。しかし、流行とともに誤った知識も広まっているという。青学大陸上部(長距離ブロック)も指導する中野氏が体幹トレについて、分かりやすく解説してくれた。

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 トップアスリートたちが成果を挙げたことで、広く一般に知られるようになった“体幹トレーニング”。今では趣味でスポーツを楽しむ方たちにも、浸透した感があります。

 体幹トレーニングにおける「体幹」とは、肋骨下から股関節の範囲を指し、ターゲットはこの部分の深部にある“インナーユニット”という筋肉群です。インナーユニットは、横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群で構成。これらをうまく使えるようになると、動作が安定し、全身の連動性が高まります。すると、動き出しが鋭くなる、パワーアップする、体力の消耗を抑えられる、といったポジティブな変化が期待できます。

 ただし、体幹トレーニングがブームとなったことで情報が錯綜し、多くの誤解が独り歩きしていることは見逃せません。

 例えば「お腹が凹む」「痩せる」というのもその一つです。

「お腹が凹む」理由によく挙げられるのは、「腹横筋が鍛えられるとお腹がキュッと引き締まるから」という説です。腹横筋は肋骨と骨盤の間をグルリと覆う、薄い膜状の筋肉。「天然のコルセット」ともいわれ、確かにうまく働くと、多少は引き締まります。しかし、お腹の深部の筋肉にある腹横筋だけで、表層部にある皮下脂肪までを、キュッと凹ますのは難しいですよね。

 お腹を凹ますにはやはり脂肪を落とすのがベスト。体幹トレーニングを行う時間があるならば、早歩きやジョギングなど、有酸素運動を行った方がよっぽど効果があります。