揺れるバドミントン界 全英OPで五輪選考レース打ち切り「ゼロではない」

揺れるバドミントン界 全英OPで五輪選考レース打ち切り「ゼロではない」

 全英オープン(OP)を終えたバドミントン日本代表が17日、羽田空港に帰国した。新型コロナウイルスの感染拡大による各国の渡航情勢を考慮し、当初は同大会を皮切りに50日にわたる海外転戦を行うはずだったが、世界バドミントン連盟がワールドツアーの中断を発表した影響で緊急帰国となった。選手は所属での練習に戻り、4月12~19日には試合勘を維持するために国内で代表合宿を行う予定という。

 19年4月末から始まった五輪選考レースの先行きも混沌(こんとん)としている。世界連盟は既に今後のスイスOP、インドOP、マレーシアOP、シンガポールOPなどの中止を発表。延期時期などについては協議中という。世界連盟の理事を兼ねる銭谷専務理事によると、五輪選考レース最終戦となる4月下旬のアジア選手権も中止となる見通し。その場合は、今後の五輪選考対象の大会全てが行われないことになる。5月にデンマークで開催予定のトマス、ユーバー杯も、ヨーロッパでの新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、中止に向けた議論に入っている。

 銭谷専務理事は全英OP後に五輪選考レースが打ち切られる可能性について「ゼロではない」と回答。五輪選考レースのポイント加算対象大会の始点(19年4月末)を変えず、6月に開催予定のインドネシアOPまで対象にする可能性もある。東京五輪自体の開催が危ぶまれる状況だが、バドミントン界の選考過程も揺れている。