子供たちへ、選手が動画配信でエール バレー男子・石川「必ずいいニュースを」

引用元:産経新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響でスポーツイベントが相次いで中止や延期となる中、多くのスポーツ選手がSNSで前向きなメッセージを発信している。一斉休校で部活動や外出に制限がかかる子供たち向けのトレーニングや応援メッセージを配信。暗いムードが漂う中、スポーツの力を通じて、子供たちを勇気づけようとしている。

 日本サッカー協会は3月中旬から、公式ツイッターなどを介して室内でできる練習動画を配信している。「休校でエネルギーを持て余している子供たちのために何かできないか」という選手や協会の思いが一致。選手に撮影を呼びかけ、随時発信しているという。

 テーマは「Sports assist you~いま、スポーツにできること~」。日本代表の乾貴士(エイバル)や久保建英(マジョルカ)らが、椅子に座りながらできるリフティング練習や効果的な手洗い方法などを紹介している。

 プロ野球ロッテも動画投稿サイト「ユーチューブ」の公式チャンネルに、手軽にできるトレーニング動画を投稿した。菊地大祐トレーニングコーチが考案した体幹強化などに効くトレーニングを、注目の新人・佐々木朗希が実演。2人一組で取り組むメニューもあり、広報担当者は「親子で挑戦してもらえたら」と呼びかける。

 試合中止で空いた時間をファンとの交流に生かす選手もいる。リーグが中断した米プロバスケットボールNBAの八村塁(ウィザーズ)は、写真共有アプリ「インスタグラム」でライブ動画を配信。同じくNBA選手の渡辺雄太(グリズリーズ)らと対談したり、ファンからの質問に答えたりした。

 バドミントン男子のエース桃田賢斗(NTT東日本)も、マネジメント会社のインスタグラムを通じてファンと交流。「気持ちが落ちてしまうと思うけど、絶対いい方向に向かっていく。みんなで一緒に頑張っていきましょう」とメッセージを送った。

 また、新型コロナの被害が深刻なイタリアで、バレーボール1部リーグに所属する石川祐希(パドバ)は、自身のインスタグラムで子供たちの「感謝の言葉」を紹介する試みを始めた。卒業式がなくなり、恩師や友人に感謝を伝える機会がなくなっていることを心配した石川が企画を発案。マネジメント会社に届いた子供たちの手紙を掲載している。石川自身も満足に練習ができない状況にいるが、「試合が再開されたとき、必ずいいニュースをお届けする」と力強い覚悟を示している。(川峯千尋)