金30個、可能な目標設定 柔道で量産、新競技に期待―時事通信記者がメダル予想

引用元:時事通信

 時事通信社の東京五輪担当記者が金メダルを予想した結果、日本オリンピック委員会(JOC)が目標に掲げる30個に到達した。競技ごとに分析して集計した結果で、実現可能な目標設定だと言えそうだ。

 お家芸の柔道は、個人戦男女各7階級の代表がすべてメダルを狙える陣容。男子では五輪連覇を見据える大野将平の73キロ級、丸山城志郎と阿部一二三が代表を争う66キロ級が金を狙える。女子は代表を決めた78キロ超級の素根輝、52キロ級で有力の阿部詩が優勝候補。新種目の混合団体も世界選手権で3連覇しており、合計7個が期待できそうだ。

 五輪初実施の空手も有望。男子形で世界選手権3連覇の喜友名諒、女子形の清水希容で金2個は堅い。組手は女子61キロ超級の植草歩、男子75キロ級の西村拳らに勝機がある。

 同じ新競技のスケートボードでは、14歳で五輪を迎える女子パークの岡本碧優が最有力。男子でストリートの堀米雄斗も評価が高い。スポーツクライミング男子の楢崎智亜は昨夏の世界選手権で圧倒的な強さを示した。サーフィン男子で実績豊かな五十嵐カノアには地の利もある。

 ◇競歩、トランポリンは実績
 競泳は3個を見込める。瀬戸大也の男子個人メドレー2種目に注目が集まるが、渡辺一平の200メートル平泳ぎ、大橋悠依の女子400個メにも可能性がある。陸上は札幌開催となった男子競歩で金2個の期待。男子50キロの鈴木雄介、20キロの山西利和はともに酷暑の世界選手権を制した。前回リオデジャネイロ五輪銀の男子400メートルリレーは地力で米国や英国に劣るが、個々の走力を上げることで頂点も可能だろう。

 体操男子は内村航平の復調が未知数で、団体も個人も金は厳しそう。女子の村上茉愛は個人総合の銀が現実的目標となる。トランポリンは女子の森ひかるが昨年の世界選手権で金に輝いた。再現する勢いはある。

 レスリングはリオ五輪で女子のみの金4個。前回並みにするのが現実的目標だ。女子57キロ級で伊調馨を退けて代表となった川井梨紗子が最有力。62キロ級の妹、友香子との姉妹優勝という望みもある。50キロ級は世界選手権2連覇の須崎優衣が代表切符を取れば、海外選手に強く期待大。男子はグレコローマンスタイルの文田健一郎らに潜在力がある。

 ◇バドミントンは全種目有望
 バドミントンは全種目で表彰台が可能だ。昨夏の世界選手権では金2、銀3、銅1の史上最高成績。男子シングルスの桃田賢斗は盤石で、女子ダブルスも永原和可那、松本麻佑組がV候補筆頭。卓球は中国勢の壁が厚い。張本智和、伊藤美誠の男女10代エースが牙城を崩せるか。

 テニスは女子シングルスの大坂なおみに優勝の期待が集まる。日本国籍を選択し、高いモチベーションは四大大会に負けない。男子でリオ銅メダルの錦織圭は右肘の手術明け。夏の一大イベントに照準を合わせてくるはずだ。ゴルフも男女で頂点を狙える。米ツアーを回る松山英樹が出場すれば五輪は初めて。全英女子オープン覇者の渋野日向子、米ツアー3勝の畑岡奈紗らが勝負強さを国内開催で発揮すれば面白い。

 ◇野球・ソフトで2冠も
 3大会ぶりに復活する野球の侍ジャパンは昨秋のプレミア12で優勝。公開競技だった1984年ロサンゼルス五輪以来の金へ希望を膨らませた。女子のソフトボールは2008年北京五輪の金を再現したい。38歳を迎えるエース上野由岐子の鉄腕がカギを握る。

 サッカーは男女とも目標は「金メダル」。セーリング女子470級の吉田愛、吉岡美帆組は世界選手権王者だ。レベルの高い自転車のトラック種目も朗報を届けるかもしれない。