桃田選手、3月の全英オープンで復帰目指す

 遠征先のマレーシアで交通事故に遭い、顔などを負傷したバドミントン男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗選手(25)(NTT東日本)について、日本バドミントン協会の銭谷欽治専務理事は14日、桃田選手が3月中旬に英国で行われる全英オープンで実戦復帰を目指す方針を示した。鼻やあごなどに骨折はなく、自力で歩くこともできているといい、同乗していたトレーナーらとともに15日に帰国を予定していることも明らかにした。

 桃田選手は12日のマレーシア・マスターズで優勝した後、現地時間の13日午前5時頃、帰国のためクアラルンプール国際空港へ移動中に事故に巻き込まれた。銭谷専務理事によると、国際大会では主催国・地域の競技団体が選手らの輸送を手配するのが通例で、桃田選手が乗車中に高速道路でトラックに追突したワゴン車も、マレーシア・バドミントン協会が用意したものだという。

 桃田選手は亡くなった運転手の後ろの2列目席に座っていたといい、現地の医師から「顔面3か所の裂傷と全身打撲」と診断された。銭谷専務理事がLINEで「早く元気な顔を見せて」と呼びかけたところ、桃田選手から「わかりました。ありがとうございます」と返事があったという。裂傷は1週間程度で治る見込みで、帰国後、国内の病院で磁気共鳴画像装置(MRI)検査などの精密検査を受け、当面は休養して心身の回復に努める。

 バドミントンが盛んなマレーシアでは事故への関心が高く、地元英字紙スター(電子版)は14日、桃田選手について「東京五輪の夢を揺るがせた可能性がある」などと報じ、競技への影響を懸念した。