桃田「しっかり治します」銭谷専務理事のLINE激励に力強い返信…精密検査入院、週明け結果判明へ

引用元:スポーツ報知
桃田「しっかり治します」銭谷専務理事のLINE激励に力強い返信…精密検査入院、週明け結果判明へ

 マレーシア遠征中の交通事故で負傷したバドミントン男子シングルス世界ランク1位の桃田賢斗(25)=NTT東日本=は16日、精密検査のために入院した。数日入院し、週明けには検査結果が判明する見通し。15日に帰国した際、日本バドミントン協会の関係者に「しっかり治します」と前向きなメッセージを伝えていたことも明らかになった。協会は再発防止に向け、輸送態勢の強化をBWF(世界バドミントン連盟)に要請していく構えだ。

【イラスト】桃田の負傷箇所

 桃田が万全を期して入院した。15日夕方にクアラルンプールから帰国した。帰国直後に簡易的な検査を受け、両親とも面会。改めてこの日から精密検査に入ったという。日本バドミントン協会の銭谷欽治専務理事(66)は「2、3日の入院と聞いている。(所属先には)頭からつま先まで、もう1回MRI(磁気共鳴画像)検査をしてくれるように伝えてある」と、話した。結果は週明けにも判明する見通しだ。

 帰国の際は黒いキャップにサングラス、マスク姿。眉間に5センチ弱、右顎にも裂傷があった。取材対応はしなかったが、しっかりとした足取りだった。空港で出迎えた銭谷氏は「大丈夫です、と言っていた。(眉間は)10針くらい縫っていたんじゃないか。目の周りにも内出血の痕があったりしたが、落ち着いていたし、普通に話せていた」と様子を明かした。LINEで「元気な顔を見られてよかった、しっかり検査を受けて」と激励すると「分かりました、しっかり治します」と、力強い返信があった。橋本聖子五輪相からも医療機関の紹介など支援を申し出る連絡があった。それを桃田にも伝えたところ「ありがとうございます、了解しました」と、感謝を述べていたという。

 悲劇が繰り返されないように手も打つ。BWFの理事でもある銭谷氏は、2月にスイス・ローザンヌで開かれる理事会で、輸送態勢の強化を訴える構えだ。

 輸送は大会開催国の競技団体が手配する。日本では必ず大型バスを使うが、今回は最高の強度とは言えないワゴン車での移動だった。これを踏まえ、〈1〉経験のあるドライバーの確保〈2〉大型バスやハイヤーなど、より安全性の高い輸送手段の使用―の2点を、特に訴えかけていく。「再発がないように、対応を投げかけたい」と銭谷氏。精神面、環境面も含め、あらゆるサポートを行う。(太田 倫)

 ◆桃田の事故の経過と今後の見通し

 ▽13日 マレーシア・クアラルンプール近郊で桃田と、平山優コーチ、森本哲史トレーナーが帰国するために早朝に空港に向かっていた際に交通事故に遭い、負傷した。乗っていたワゴン車が高速道路で前を走る大型トラックに追突。車は大破し、24歳のマレーシア人運転手が死亡した。桃田が鼻を骨折した―など、情報が錯綜(さくそう)した。

 ▽14日 日本バドミントン協会の銭谷専務理事が会見し、状況を報告。桃田は顔面3か所の裂傷と全身打撲を負ったが骨折はなし。全英オープンを当面の復帰目標とすると明かした。

 ▽15日 夕方に成田空港に帰国。居合わせた一般客約350人、テレビカメラ30台を含む報道陣約150人が見守った。取材対応はなく、しっかりとした足取りだった。

 ▽16日 精密検査のために入院。

 ▽20日前後 検査結果が判明か。

 ▽3月11日~ 順調なら全英オープン(英バーミンガム)で復帰か。 報知新聞社