バド桃田「今は本当に金メダルを狙っていきたい」 事故後初の会見

引用元:毎日新聞
バド桃田「今は本当に金メダルを狙っていきたい」 事故後初の会見

 1月に遠征先のマレーシアで交通事故に遭い、右眼窩底(がんかてい)骨折の重傷を負ったバドミントン男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗選手(25)=NTT東日本=が6日、東京都内で事故後初めて記者会見し、「いろいろな人に応援してもらって、激励の言葉をもらって、今は本当に金メダルを狙っていきたいと思います」と語った。

 桃田選手はワールドツアーのマレーシア・マスターズで優勝した翌日の1月13日、空港に移動する際に乗っていたワゴン車が高速道路で大型トラックに追突し、運転手が死亡した。事故当時について、「車の中で寝ていた。衝撃が起きて、自分も何が起きたか分からない状況だった」と振り返った。

 桃田選手は当初、「あごと唇、眉間(みけん)の裂傷と全身打撲」とされたが、2月4日に練習を再開したところ、「シャトルが二重に見える」と訴え、右眼窩底骨折が判明。8日に手術を受け、全治3カ月と診断された。29日から所属先のNTT東日本で練習を再開しており、「これだけ長い間、バドミントンから離れたことがなかった。今はすごく羽根を打つのが楽しい。充実した練習ができている。(目の状態は)術後はリハビリをして、少しずつ良くなっている」と語った。

 桃田選手は昨年の国際大会で史上最多の年間11勝をマーク。2018年秋から世界ランキング1位をキープし、東京オリンピックでも金メダルの有力候補と見られている。【小林悠太】

 ◇桃田賢斗の交通事故の経過

1月12日 マレーシア・マスターズ男子シングルスで優勝

  13日 空港へ移動中、乗っていたワゴン車が大型トラックに追突。運転手は死亡。現地の病院で「あご、眉間(みけん)、唇の裂傷と全身打撲」と診断される

  14日 日本協会が3月の全英オープンで復帰見込みと説明

  15日 マレーシアから帰国。東京都内の病院に検査入院

  17日 「所見なし、経過観察」で退院

2月3日 東京都内で始まった日本代表合宿に参加

  4日 練習再開も「シャトルが二重に見える」と訴える

  7日 専門病院の検査で右眼窩底(がんかてい)骨折が判明

  8日 右眼窩底骨折の手術。全治3カ月と診断

  29日 所属先のNTT東日本で練習を再開