桃田「今は金メダルを狙っていきたい」…会見一問一答〈2〉

引用元:スポーツ報知
桃田「今は金メダルを狙っていきたい」…会見一問一答〈2〉

 今年1月のマレーシア遠征中の交通事故で負傷したバドミントンの男子世界ランク1位の桃田賢斗(25)=NTT東日本=が6日、都内で記者会見し、事故後、初めて取材に応じた。

【写真】会見前に体温チェックする報道陣

 ―東京五輪へ。

 「そうですね。東京五輪、そうですけど、まずは目の前のことを一つ一つこなしていきたいなと。それを全力で取り組んでいきたいという思いもあるんですけど、今回の経験をして、今まで東京五輪は延長線上にある大会だと思っていたけど、色々な方に応援してもらって、激励してもらって、今は金メダルを狙っていきたいなと思います」

 ―どういう場面で視界が二重に見えたのか。

 「目の状態は、手術前は正面はいつも通り見えるけど、眼球を動かした時に二重に見える。術後は少しずつ良くなっている。これだけ長い間、バドミントンから離れたことはなかった。羽根を打つのがいまは楽しいし、充実した練習ができていると思う」

 ―たくさんの方から応援メッセージをもらった。

 「自分も文章では出していたけど、自分の言葉で伝えることができていなかった。ある程度体の状態も心も落ち着いた段階で(記者会見を設けて)皆さんの前に出て、感謝の言葉を伝えたかった」

 ―リハビリは?

 「(事故に遭うまで)大きなケガをしたことがなかった。すごく地味で苦しいトレーニングが多いけど、またコートに戻る姿が見たいとか言葉をたくさん頂いて、心が折れそうな時、もう一踏ん張りできると思う」

 ―家族からは。

 「手術して、退院して3週間くらいは実家で絶対安静の生活を送っていて、いつも通り自分が安心した生活を送ることができたのは家族のお陰かと思うけど、どういう会話したとかはあまり覚えていないです」

 ―競技へ戻れるか不安があったのか。

 「それは感じました。どれくらい時間が経って、本当に成功するかも分からないし、手術をするのか、保存治療をするのかという選択もすごい自分自身迷いましたし、心も折れそうな時もあったんですけど、何回も言うけど色々な方のサポートのおかげで、しっかり治して、コートに出てプレーしたいと思った」

 ―復帰が期待される5月のトマス杯は?

 「自分の気持ちでいうと、出られるならすぐにでも出たいくらいの気持ちなので、、無理をするとまたけがして練習できなくなってしまう。相談しながら、ゆっくり、余裕も持って、今まで通り、この期間に今まで以上に強くなるためにも焦らずに強くなりたい」

 ―バドミントンへの思いを。

 「自分にとって、バドミントンしかないですし、バドミントンに成長させてもらっていますし、バドミントンが好きな気持ちは今も変わらない)。こういう風に頑張れていると思うので、取り組む姿勢は変わらず、これまで通り自分らしく頑張って行ければと思います」

 ―事故をどう受け止めたか。

 「あの事故によって、亡くなった方がいる中で、ラッキーと思ったことは一度もなかったですね。起きてしまったことなので引きずっても仕方ないですし、まだバドミントンを続けるチャンスがある。バドミントン界において、いい影響を与えられるような選手になりたいと思います」

 ―この経験をどう思う。

 「自分ができることに取り組めることは、全力で責任を持っていかないといけないなとは思いました。復帰してトレーニングした時、今まで以上に頑張りたい気持ちが湧いてきたので、その経験を得て心の強い部分になった」

 ※〈3〉に続く 報知新聞社