引用元：サンケイスポーツ
バドミントン・全英オープン第１日（１１日、英国・バーミンガム）開幕して各種目の１回戦が行われ、混合ダブルスで２年ぶりの優勝を目指す世界ランキング４位の渡辺勇大（２２）、東野有紗（２３）＝日本ユニシス＝組は同２９位の韓国ペアを２－０で下し、東京五輪出場を確実にした。初の五輪代表となる。今後の国際大会を欠場したとしても出場条件を満たす見通しで、最終的には４月２８日付の世界ランキングで確定する。
福島県で中学、高校時代を過ごした混合ダブルスの渡辺、東野組が、東日本大震災から９年となった日に東京五輪切符を手繰り寄せた。
渡辺が右膝を痛めていたため、２人で試合に出るのは昨年１２月以来。久しぶりの実戦に、渡辺は「息が上がるのが１ゲーム目は少し早かった」。終盤に逆転を許し、１８－２０とゲームポイントを握られた。それでも落ち着きを失わず、渡辺が鮮やかなドロップショットを沈めるなど２３－２１で先取し、ストレートで勝ち切った。
震災の記憶は薄らぐことはない。当時、渡辺は富岡一中の１年生で、東野は１学年先輩。体育館での練習中に地震が発生し、慌てて屋外へ飛び出した。その後は原発事故の影響で別の地域で学校生活を送った。渡辺は「忘れるわけがない日。こうしてバドミントンをできているのは当たり前ではない」と言い、東野は「明るいニュースを届けられたら」とプレーでの恩返しを誓う。
初の五輪出場を確実にしたことよりも「久しぶりに試合ができてうれしかった」と東野。３年連続の決勝進出、そして２年ぶりの優勝へ、今季最初の一歩を力強く踏み出した。