女子やり投げ北口榛花「プロ意識を持ち」社会人生活

引用元:日刊スポーツ
女子やり投げ北口榛花「プロ意識を持ち」社会人生活

<もしもし日刊です>

女子やり投げ日本記録保持者で、4月にJALに入社した北口榛花(22)が電話取材「もしもし日刊です」に応じ、同じ新社会人へメッセージを送った。

新型コロナウイルスの感染拡大で卒業式や入社式は中止や大幅縮小での実施が相次いだ。華々しい「門出の春」とはなっていないが「乗り越えた先で社会人として頑張れるようにしていきましょう」と呼び掛けた。自宅のトレーニング環境を整備した近況も明かし、1年延期となった東京五輪で、さらに強くなった姿を見せることも誓った。

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-春から社会人ですね。おめでとうございます

北口 生活や練習環境は変わらないですけど、やっぱり学生から社会人になり、プロ選手ではないですが、プロ意識を持ち、競技に取り組まないといけないなという気持ちでいます。

-日大の卒業式、みんなで紙飛行機を飛ばす有名なJAL入社式も中止に…

北口 世の中がこんな状況なので…。しょうがないかなと思っています。

-同じように祝いの式典が新型コロナウイルスの影響でなくなってしまった人も多くいます。同じ新社会人にメッセージなどがあれば、いただけないですか

北口 え~。そうですね。私も入社式も研修もオンラインで、まだ1度も出社できてないのですが、他の方も仕事に行けない状況や、外出自粛もあるかと思います。だけど、みんなが協力しないと、この状況は打破できないと思います。今は我慢をして、乗り越えた先で社会人として頑張れるようにしていきましょう。

-現在の練習環境はどうなのでしょうか

北口 拠点の日大はまだ使えるのですが、この先はどうなるか分かりません。私は基本的に1人で練習をしているので、なかなか人と接触することはないのですけど、場所が使えなくなっては練習ができません。トレーニンググッズを買って、自宅で練習ができる環境をつくっています。

-どんな器具を買ったのですか

北口 バランスボール、メディシンボール。体幹を鍛える、円形のプニプニしたものと、バランスボールを半分に切った形のバランスドーム。あとチューブ、マットも買いました。

-結構、“大人買い”ですね

北口 海外の選手や報道を見ていると、多くの準備をしておくべきだと思っていました。さすがにウエートリフティングのバーとかは準備できないですし、そもそも家にやる場所もないんですけど(笑い)。これぐらいなら、出来るかなと思って。チェコで練習していた時もシェケラック・コーチから部屋で行うメニューを宿題としてもらってました。その延長で、より充実した部屋でのトレーニングができるように買いそろえました。今もコーチとは毎日、連絡を取り、メニューを出してもらっています。

-五輪が1年延期になりました

北口 この状況では世界中の人が全力を出し切れる形で、五輪を開催するのは難しいと思っていました。1年延期は仕方ないと受け止めてます。私は東京五輪がゴールではなく、毎年、自分のベストを出すことを目標に競技をしています。1年延びたら、それだけ強くなった姿を披露することができるんじゃないかなと思っています!

-五輪の目標は

北口 1年後にどんな記録を目指せるかは、今の状況では分からないですけど、結果的にはメダル獲得を目標にやっています。

【聞き手・上田悠太】

◆北口榛花(きたぐち・はるか)1998年(平10)3月16日、北海道旭川市生まれ。3歳で水泳を始めて、小6の時にバドミントンの全国大会で団体優勝。旭川東高1年までは競泳と陸上の二刀流。15年世界ユースに出場し日本女子では投てき種目初となる優勝。19年5月に東京五輪の参加標準記録を突破する日本記録64メートル36を樹立し、同年10月には66メートル00に大幅に記録を塗り替えた。今春日大を卒業。身長179センチ。