タカマツ五輪連覇へ光 バド五輪代表選考レース“延長戦”に 来年ポイント争い期間17週間追加

タカマツ五輪連覇へ光 バド五輪代表選考レース“延長戦”に 来年ポイント争い期間17週間追加

 世界バドミントン連盟(BWF)は27日、1年延期となった東京五輪の出場権に関する新たな規定を発表し、19年4月末から20年4月末までとしていたポイント争いの期間に21年1~5月の17週間を追加した。新型コロナウイルス感染拡大の影響によって延期、中止となった大会が対象となる。五輪レース打ち切りの可能性もあっただけに、今回の決定で最大2枠の出場権を3組で争う日本女子ダブルス勢の戦いは“延長戦”へと突入する。

 サバイバルは、まだ終わらない。BWFによると、今年3月の全英オープンまでに獲得したポイントは維持され、新型コロナウイルスのため延期、中止となった大会のポイントも加えた21年5月4日付のレースランキングで東京五輪出場選手が出そろうことになった。

 今年4月末まで1年だった五輪レース期間に来年1月4日~5月2日の約4カ月間が追加された。既に発表されていた今年9~12月の新日程に組み込まれた対象大会のポイントは含まれない。

 日本勢で大きな影響を受けるのが、三つ巴の争いを繰り広げる女子ダブルスだ。凍結中の五輪レースで1位の福島、広田組(アメリカンベイプ岐阜)は出場権をほぼ手中に収め、2枠目を同3位で世界選手権2連覇の永原、松本組(北都銀行)、6位でリオ五輪金メダルの高橋、松友組(日本ユニシス)が争う構図。日本協会の銭谷専務理事が「ゼロではない」と語ったようにBWFはレース打ち切りの可能性など複数のシナリオを検討。その結果“延長”が決まり、絶望的だった高橋、松友組の五輪連覇の夢がつながった。

 追加期間には高ポイントが狙える「SUPER 500」以上の大会が4大会あり、高橋、松友組が永原、松本組を自力で上回る可能性が残されている。最大出場枠「2組」獲得は濃厚。金メダル候補同士のイス取りゲームは続く。永原は「不安はあるが、自分たちができることをやるだけ」と語っている。

 シングルス男子の桃田賢斗(NTT東日本)、女子の奥原希望(太陽ホールディングス)らの五輪出場は確実だが、男子シングルス2枠目や男子ダブルス勢が目指す2枠確保の戦いにも影響は必至。五輪へたどり着くために、まずは新たな戦略を練ることになる。

 ▽女子ダブルス勢の五輪レース争い 序盤はフクヒロ、タカマツ、ナガマツの順。最も格付けの高い昨年8月の世界選手権はナガマツ=優勝、フクヒロ=準優勝でポイントを稼いだ。年間ツアー上位8組(各国上限2組)が出場する昨年12月のツアーファイナルズにはフクヒロ、ナガマツが出場し、ポイントを上積み。不出場のタカマツが劣勢となった。フクヒロは今年3月の全英オープンで個人戦4度目の優勝。安定した強さで、圧倒的な優位となっている。