桃田、4強入りもビデオ判定3分以上に苦言「体が固まって肉離れする可能性もある」

引用元:スポーツ報知

◆バドミントン 全日本総合選手権 第4日(29日、東京・駒沢体育館)▽男子シングルス準々決勝 桃田2―0古賀穂(ともにNTT東日本)

 準々決勝が行われ、男子シングルスの桃田賢斗(25)=NTT東日本=は、所属の後輩・古賀穂(みのる、23)を2―0で下し、4強入り。映像判定に3分以上要したことに苦言を呈した。女子ダブルスは16年リオ五輪女王の高橋礼華(29)、松友美佐紀(27)=日本ユニシス=組、世界選手権2連覇の永原和可那(23)、松本麻佑(24)=北都銀行=組がともに勝ち、準決勝で対戦。混合ダブルスで2連覇中の渡辺勇大(22)、東野有紗(23)=日本ユニシス=組も4強入りした。

 桃田が準決勝進出まであと2ポイントとした緊迫の状況で、観客から失笑が漏れた。第2ゲーム19―11、コート中央付近で見送った直線的なショットがアウトとコールされ、古賀が映像による判定を要求。18―9の場面に続く2度目のチャレンジで、散々待たされインに覆った。

 桃田は「判定に3分以上かかって足がだるくなった。椅子を用意してほしいくらい。流れが試合開始時点に戻る」と苦言を呈した。しかも場内のCG映像が示したシャトルの落下点は右奥。本来の位置と思われるセンターライン付近をラケットで指して苦笑いを浮かべ「あれだったら(映像判定を)つけない方がいい。場所と時間はしっかりしてほしい」と訴えた。

 主審、副審、10人の線審で見ていても間違いは起きる。ビデオ判定の入力に手間取るのも、判定結果も「仕方ない」と受け止める。しかし長時間待たされれば体が冷え、けがのリスクが高まる。12月11日からは、各種目の世界トップ8だけが参加できる「ワールド・ツアー・ファイナルズ」に挑む。五輪代表争い中の負傷は避けたい。「今日は大丈夫だったけど、体が固まっていきなり動くと、肉離れする可能性もある」と不快感を示すのは当然だ。

 チャレンジ制度は3年目で、シャトルの落下点を表示するのは今年からの取り組み。常山も「もう少し直してほしい。(精度が)怪しい」と注文をつけた。全5種目に世界ランク1ケタがそろうハイレベルな大会。運営のレベルも世界基準に近づけることが求められる。(大和田 佳世)

 ◆バドミントンの映像判定 インかアウトかの判定の正確性を高めるため導入されている。世界連盟の国際ツアー大会では、大型画面に球の軌跡と着地点を表示するのが一般的。大会や場面にもよるが、選手の申告から30秒程度で表示されるケースが多い。国内戦の全日本総合は17年大会から導入され、今回が3大会目。 報知新聞社