大堀彩、初V王手 山口茜に逆転 たどり着いた新境地「格上に食らいつく」

大堀彩、初V王手 山口茜に逆転 たどり着いた新境地「格上に食らいつく」

 ◇バドミントン全日本総合第5日(2019年11月30日 東京・駒沢体育館)

 女子シングルス準決勝では、世界ランク19位の大堀彩(23=トナミ運輸)が同4位の山口茜(22=再春館製薬所)から2―1(11―21、18―21、18―21)の逆転勝利。初優勝へ王手をかけた。

 第1ゲームを落としたが、第2ゲームから「1本1本を意識」して息を吹き返す。最終ゲーム、13―16の場面から一挙7連続ポイントで逆転。最後は相手のショットがアウトになり、両拳を握りながら喜びを爆発させた。昨年女王の山口を撃破した大堀は「素直にうれしい気持ち。自信につながる」と笑顔を見せた。

 最大2枠の東京五輪レースでは4番手と遅れを取るが、国際大会を転戦する中でメンタルが成長。きっかけは9月の韓国オープンで完敗したタイの実力者インタノンとの一戦。ラリー戦にすら持ち込めず、コーチ陣からは「何やってるんだ」と指摘された。「何でこういうゲームになったんだろう」。自問自答を重ね、多くの人の意見にも耳を傾けた。失敗を重ね、たどり着いたのが、この日の精神状態。「格上だからこそしっかり食らいつきたい」と果敢に立ち向かった。

 12月1日に初優勝が懸かる決勝のコートに立つ。「今日以上のパフォーマンスができるように頑張りたい」と前を向いた。