エンワタ、男子複で日本勢初V…遠藤大由「これをいい自信に」

引用元:スポーツ報知
エンワタ、男子複で日本勢初V…遠藤大由「これをいい自信に」

◆バドミントン 全英オープン最終日 ▽男子ダブルス決勝 遠藤、渡辺組2―1ギデオン、スカムルヨ組(15日、英国・バーミンガム)

 各種目の決勝が行われ、男子ダブルスで世界ランク6位の遠藤大由(33)、渡辺勇大(22)組=日本ユニシス=が、同1位のギデオン、スカムルヨ組(インドネシア)を2―1で下し、同種目で日本勢初優勝を果たした。新型コロナウイルスの感染拡大で来月12日までのワールドツアーが開催中断されるため、日本代表は17日に帰国する。

 遠藤は両手で顔を覆い、コートで大の字になった。110回の伝統を誇る全英で、男子複を日本勢で初めて制した。「何でも最初の一番は気持ちがいい」と渡辺。遠藤は早川賢一氏(33)=現・日本ユニシスコーチ=とペアを組んでいた13、14、16年を含め、自身4度目の決勝で初Vにたどり着いた。「説明できないくらいうれしい。本当にこの大会は特別」と喜びをかみ締めた。

 後衛からの強打、巧みなネット前でのさばきなど変幻自在に攻めてくる世界ランク1位に、何度もレシーブを上げてチャンスを待った。最終ゲームは18―19からの逆転劇だった。今大会は準々決勝でも世界2位のインドネシアペアを撃破。渡辺は「世界ランキング1、2位のペアにぶつかって勝って優勝できたのはすごく財産」とうなずいた。五輪出場争いでも園田啓悟(30)、嘉村健士(30)組=トナミ運輸=を抜いて日本勢首位に浮上する見通し。素早い攻撃を武器に、世界選手権で2年連続銀メダルの実績があるソノカムと双璧の存在感が頼もしい。

 遠藤が、リオ五輪8強入り後に引退した早川コーチに代わる新相棒として選んだのが渡辺。右利きの遠藤と左利きの渡辺がコートを広くカバーし合い、互いの強みを引き出す連係を磨いた。早川コーチも「遠藤、渡辺ほどレシーブがうまいペアは他にいない。任せるところは任せ、(取りに)行くところは行く。(17年)全日本総合で初優勝して以降、パートナーとしての絆、信頼感が出てきた」とみる。11歳差でも、決勝前日に携帯型ゲーム機で楽しむほど距離感は近い2人。遠藤も「(渡辺は)僕が打つ所を分かるから(返球に)準備できている」と頼もしげだ。

 年間王者決定戦のワールドツアーファイナルは2年連続準V。日本男子初の五輪金メダルも十分、射程にとらえている。遠藤は「これをいい自信にして、もっと上げていかないと」。越えるべき壁は、まだ先にある。

 ◆男子ダブルスの東京五輪代表選考 19年4月29日~20年4月26日に出場した国際大会のうち、上位10大会の成績で獲得するポイントによって算出したランキングで決まる。国・地域別の最大枠は2。最大枠をつかむには、2組ともにランキング8位以内に入っていることが条件となる。大会前に5位だった遠藤、渡辺組は、今大会優勝で6050点を上積みし、合計7万4983点に。2回戦敗退で加算できなかった4位ソノカム(7万2053点)を逆転し、日本勢首位に浮上する。

 ◆遠藤 大由(えんどう・ひろゆき)1986年12月16日、埼玉・川口市生まれ。33歳。小松原高、日体大を経て09年日本ユニシス入社。早川賢一とのペアで、15年世界選手権銅メダル。16年リオ五輪8強。16年リオ五輪後に渡辺勇大とペアを組み、19年アジア選手権優勝。172センチ、72キロ。

 ◆渡辺 勇大(わたなべ・ゆうた)1997年6月13日、東京・杉並区生まれ。22歳。小学2年時に小平ジュニアで競技を始める。富岡一中、富岡高を経て、16年日本ユニシス入社。世界ランク4位の混合ダブルスは東野有紗(日本ユニシス)とのペアで東京五輪切符が確実。167センチ、56キロ。 報知新聞社