バド代表・中西洋介コーチ、緊迫の桃田事故経過を明かす「深刻さが伝わってきて取り乱した」

引用元:スポーツ報知
バド代表・中西洋介コーチ、緊迫の桃田事故経過を明かす「深刻さが伝わってきて取り乱した」

 バドミントン日本代表の中西洋介コーチが20日、朴柱奉監督とともに都内で会見。マレーシア遠征中に桃田賢斗(NTT東日本)らが負傷した交通事故について、現地で対応にあたった経緯を明らかにした。

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 中西コーチに事故の一報が入ったのは、現地時間の13日午前5時1分。事故車に同乗していた平山優コーチからの電話だった。桃田らは代表本隊より1時間早い午前4時30分に宿舎を出発し、帰国のためクアラルンプール空港に向かう途中だった。「『事故がありました』と。声のトーンから、軽い事故ではなく、深刻さが伝わってきて取り乱した」。

 朴監督、中西コーチら代表チームは、インドネシア・マスターズに参戦するため、午前5時30分に宿舎を出るバスで、桃田らと同じ道を通って空港に向かう予定だった。状況把握と各所への連絡を済ませた後、予定通りバスで宿舎を出発。午前6時頃に事故現場に到着し、バスから降りて桃田らの救助活動を手助けした。

 先に1台だけ到着した救急車で、負傷の程度が重かった平山コーチ、森本哲史トレーナーが搬送。桃田が午前6時半頃に2台目の救急車に乗るまで、路肩に座り込んでいた桃田に付き添った。朴監督は「『バドミントン大丈夫ですかね』と聞いてきて『大丈夫、大丈夫』と話した」。中西コーチは「とりあえず、本人も放心状態。出血もあったし、会話する雰囲気ではなかった」と振り返った。

 中西コーチらは現場に40分程度滞在。再びバスに乗り、空港で代表本隊の選手を見送った後に病院へ向かった。到着は午前8時頃。桃田は午前7時過ぎに病院へ到着したようで、応急処置は済んで検査待ちの状態だった。13日夜になると、状態も徐々に落ち着きを見せてきたという。

 桃田は精密検査の結果、身体面に異常は見当たらなかった。今後は精神面への影響などを見極め、3月の全英オープン(3月11~15日、バーミンガム)を第一目標に復帰を模索する。中西コーチは「私も車に乗って事故の事を意識したくらいだから、フラッシュバックというか、同じようなシチュエーションだと思い出してしまうこともある。ショックは少なくないと思う」。朴監督も「どのくらいでメンタル的なトラウマが大丈夫になるのか…」と思いやっていた。 報知新聞社