桃田賢斗、笑顔目立つ復帰会見「羽根打つのが楽しい」顔の傷も目立たず

桃田賢斗、笑顔目立つ復帰会見「羽根打つのが楽しい」顔の傷も目立たず

 1月に遠征先のマレーシアで交通事故に巻き込まれて負傷し、2月に右目眼窩底骨折の手術を受けたバドミントン男子世界王者の桃田賢斗(25)=NTT東日本=が6日、このたび練習を再開したことを受け、都内で会見を開いた。事故以来、一連の経緯について語るのは初めてだったが、笑顔を交えた明るい表情で現在の心境を明かし、「今回の経験でたくさんの人に激励してもらい、今は東京五輪で金メダルを狙っていきたいと思いました」と復活への意欲を語った。

【写真】傷跡が残る痛々しい姿で帰国した桃田

 笑顔が目立ち、競技復帰への喜びがあふれていた。約2カ月ぶりに公の場に現れた桃田は、グレーのジャケットにえんじのネクタイを締めて登場。右目の目尻の下には手術した痕がみられたものの、1月15日の帰国時には眉間に痛々しく残っていた傷跡は目立たなくなり、やや緊張した面持ちながらも表情は明るかった。先月29日からは練習にも復帰しており、「少しずつトレーナーさんにケアしてもらいながら、練習に取り組めて充実感があるし、体のキレも少しずつ戻ってきている感覚がある」と回復状況を語った。

 2月8日に手術を受けてからの約3週間は香川県の実家で静養し、同29日からチームの練習に合流。「シャトルが二重に見える」といった不調はなくなったといい、目を動かすなどのリハビリと並行しながらラケットを持ってシャトルを打つ練習も再開した。

 「これだけ長い間バドミントンから離れたことがなかったので、今はすごく羽根を打つのが楽しいし、充実している」。ただ、まだ全開には程遠いようで、「コートに立つとどうしても(もっと)動きたくなってしまうので、今はそれをセーブするのが課題かな」と冗談交じりに明かした。

 実戦復帰のめどは立っていない。5月の国別男子団体戦・トマス杯(デンマーク)が一つの目標になるとみられるが、「出られるならすぐにでも試合に出たいが、無理をするとまたけがをして練習できなくなってしまうので。今まで以上に強くなって戻るためにも、今は焦らずにやりたい」と、じっくり腰を据えて完全復活を目指す考えを示した。