「名字で頭に残る」おかやま山陽・漁府アピール狙う

引用元:日刊スポーツ
「名字で頭に残る」おかやま山陽・漁府アピール狙う

甲子園での「プロ志望高校生合同練習会」で、その名前がコールされれば、プロ関係者にも強烈な響きを残すだろう。おかやま山陽(岡山)の高校通算24本塁打の右の長距離砲、その名も漁府輝羽(ぎょふ・こうは)外野手(3年)だ。

「先祖が漁師だったとかは分かりませんが、珍しい名字で第一印象から頭に残るのはプラスかなと思います」。全国でも20人ほどしかいない珍しい名字だけでなく「輝いて羽ばたいてほしい」という両親の思いを込められた名前もインパクトがある。

この夏、岡山の独自大会では初戦の2回戦、倉敷天城戦で広い倉敷マスカットスタジアムのバックスクリーン左へ豪快な3ランを放っている。「中学時代は柵越えの本塁打は0だったんです。高校で硬式になって球がつぶれないし、体も大きくなったので打てるようになった。本塁打は気持ちいいし、遠くに飛んだ方が自分だけのものという感じがします」。初めての本塁打は1年生の11月。そこから、成長を続けている。堤尚彦監督(49)は「広角に右にも本塁打が打てる。うちの学校のグラウンドで右中間に柵越えした右打者は(監督就任して)15年で初めて」と驚く。

新型コロナウイルスで活動停止となり、自宅での個人練習は両親が支えとなった。父明洋さん(48)が手作りした長さ1メートル以上、重さ2キロの鉄のバットを振り込んだ。「下半身から上半身へと振らないと振れない」と下半身主導の打撃フォームを身につけた。母友美(ゆみ)さん(44)はバドミントンのシャトルを使ったティー打撃でトスをし続けてくれた。

17日に「プロ志望届」を提出した。プロのスカウト陣の話によれば、自分のスイングをできた時の飛距離や打球の強さは今年のドラフト候補の中でも上位。確実性がでてくれば、将来は日本ハム中田のような勝負強く、本塁打も毎年量産するような選手になれると評価されている。「結果にこだわりたい」と話す甲子園での合同練習会が楽しみだ。(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)

◆漁府輝羽(ぎょふ・こうは)2002年(平14)7月16日生まれ。岡山県倉敷市出身。第一福田小1年からソフトボールを始める。福田南中では軟式野球部でプレー。おかやま山陽では2年春から正右翼手。183センチ、84キロ。右投げ右打ち。