新型コロナでスケジュール帳は真っ白だけど…無観客での熱戦に「スポーツは人の心を動かす」を実感

引用元:中日スポーツ
新型コロナでスケジュール帳は真っ白だけど…無観客での熱戦に「スポーツは人の心を動かす」を実感

 3月後半から真っ白になったスケジュール帳を見て、正直、頭を抱えた。猛威をふるう新型コロナウイルスの影響で、担当する競技のスポーツイベントや取材予定が軒並み中止。モチベーションの上がりにくい状況に、無力感すら覚えた。スポーツ界全体の機運も落ち込みそうな雰囲気の中、選手たちはより一層、競技への思いを強くしている。

【写真】無観客…ドアラがスタンドにぽつん

 2月29日のバレーボールのVリーグ男子1部プレーオフ決勝は、無観客の中で行われた。フルセットの大激闘の末に惜敗したパナソニックは、清水邦広(33)が「日本も世界も厳しい状況の中で、テレビを見ている人を勇気づけたり、元気づけたりというプレーや試合が、負けたけれどできた。スポーツを通して日本を勇気づけるのが僕たちの仕事だと思う」。長年、日本代表を背負ってきた選手らしい、使命感を帯びた言葉だった。

 海外転戦が続くバドミントン日本代表の男子のエースダブルス『ソノカム』の1人、嘉村健士(30)=トナミ運輸=も、「日本でも学校を休校するような状況になっている。試合に出て、少しでもいい結果を出して、バドミントンのできない中高生、社会人、そうした人たちが元気になれる結果を届けたい」と意気込んだ。

 スポーツは人の心を動かすもので、見ている誰かの生きる糧になるのかもしれない。そう信じる選手たちの決意に、私も前を向かずにはいられなかった。(平野梓)