なぜバド日本女子ダブルスは強いのか。 オグシオからフクヒロ、次世代へ

なぜバド日本女子ダブルスは強いのか。 オグシオからフクヒロ、次世代へ

五輪は行なわれるのか? いつ開催されるのか? 一体いつになれば、ウイルスの脅威から解放され、(五輪予選を含む)試合を行なえるようになるのか。競技を問わず多くの大会が中止され、五輪の延期も検討される事態となり、現在のスポーツ界の注目は、いまだかつてないと言えるくらい、新型コロナウイルスの世界的流行に振り回されている。

【写真】東京五輪での活躍を目指す、福島由紀(左)、廣田彩花ペアをインタビュー

 バドミントンも、3月15日に閉幕した全英オープンのあとは、五輪出場権獲得レースが延期または中止になっており、中断している。東京五輪の出場権は、4月30日付の世界ランクに基づいて決まることになっているが、扱いをどうするかは国際バドミントン連盟が後日発表するまでわからない。

 大会の中止が各国で決まる中で通常開催された全英オープンは、トップレベルの争いが見られる貴重な場だったが、そこでは、日本の女子ダブルスが4年間で行なってきたハイレベルな争いの価値を感じさせられた。

 五輪レースの大きなヤマ場で、とくに日本勢では、東京五輪の同国出場最大2枠を争う女子ダブルスが注目されていた。初優勝を飾った福島由紀/廣田彩花(アメリカンベイプ岐阜)の「フクヒロ」ペアは、エースとしての存在感を強く示すとともに、東京五輪の金メダル獲得へ手応えを得た。一方、リオデジャネイロ五輪の金メダリストである高橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)の「タカマツ」ペアは、五輪レース3番手から大逆転の可能性を膨らませる優勝に届かず、厳しい状況に追い込まれた。

 全英オープンでは、2つの日本勢対決が実現。両試合でそれぞれの道を歩んできた4組が激突した。

 まず、象徴的な試合となったのが、準決勝だ。日本のエースである福島/廣田と対峙したのは、準々決勝で世界ランク1位の中国ペアを破った高橋/松友。互いに積極的に攻撃の主導権を奪いにいく展開の中、福島/廣田が低い球出しと廣田の前に出るプレーで得点を重ねる中、高橋/松友はレシーブでミスが生じて押し切られた。

 高橋は「相手は、今まで対戦してきた中で、いちばん気持ちが入っていて、今までよりいいプレーを出してきたと思いますし、うまく対応できませんでした」と完敗を認めた。最新の世界ランク(3月17日更新)で7位と上位にいるが、ほかの日本勢が世界ランク2位(福島/廣田)、3位(永原和可那/松本麻佑)にいる状況だ。

 リオ五輪後、モチベーションの低下、レースの試合増加とそれに伴うコンディション維持など、難しい状況にさらされて苦しみながら歩んでいるが、ふたりが東京を目指すと決断したことで、後進が彼女たちを超えることを目標とし、日本勢の競争力はぐんと引き上げられた。

1/3ページ